【宝塚記念】バリアシオン血統も後押し

 「宝塚記念・G1」(29日、阪神)

 岩田のアクションに応え、無冠の大器が25日の栗東CWで躍動した。直線半ば、トップギアに入ったウインバリアシオンが、先導した2頭の未勝利馬を一瞬のうちにのみ込む。単走状態になってもスピードは衰えない。右ムチ1発で気合が入ると、1完歩ごとに差を広げてフィニッシュを決めた。

 全体時計は6F81秒3‐37秒8‐12秒5。鞍上が「トモがしっかり入って、フォームが大きくなっている。反応も良かった」とうなずくと、松永昌師も「先週より、動きが良くなっているね」と満足げに笑みを浮かべた。

 陣営の思いはひとつ‐「G1を獲らせたい」。これまで挑戦すること7回。4度の2着を含め、一度も掲示板を外していない一方で、先頭で駆け抜けたこともない。「距離も合うし、体調もいい。勝つことだけが目標」と岩田は言い切る。

 ファン投票2位での出走に「今回は手応えを感じているから、何とかしたい」とトレーナーも力が入る。ハーツクライ産駒はG1を3連勝中。血の勢いという後押しも受け、ついに主役として脚光を浴びる時が来た。

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