「日本競輪学校第１０５回生卒業記念レース」（２６日、平塚）

　男子１０５回生は伊早坂駿一生徒（１９）、女子１０６回生は石井貴子生徒（２４）がともにまくって優勝。女子注目の小林優香生徒（２０）は、まくりを仕掛けるも後ろからかわされて３着に終わった。２８日に卒業式が行われ、女子（１８人）は５月、男子（３６人）は７月に続々とデビューするが、卒業記念で優勝した両者は、プロデビューとともに、２０年の東京オリンピック出場へ向けても、強い意欲をみせた。

　イメージ通りだった。伊早坂はバックで番手まくりを決めると、そのまま後続の急追を振り切り、第１０５回生の卒業チャンプに輝いた。「勝つにはまくりを想定して走っていた。自分の思った通りに展開が動いた。バックから踏みだして、ゴールまで持つ自信はあった」と会心の笑みを浮かべた。

　幼いころから競輪選手を目指していた。父は引退した６７期の伊早坂新也。「父の背中を見て、幼稚園のころから選手になりたいと思った」。競輪選手に必要な身体能力と瞬発力を鍛えるため、小学校に入学すると相撲を始め、中学を卒業するまで続けた。県立取手一高へ進学すると、名門の自転車部に入った。

　競輪学校では在校３６人中１９位と真ん中の成績だったが、５４戦中２７戦で先行する、積極的に動くレースを続けた。入学前に父からは「自分の力を出し切れ」、高校の先輩で師匠の長塚智広＝茨城・８１期・ＳＳ＝からは「とにかく先行してこい」とアドバイスを受けた。

　教えをしっかりと守り、地力をつけてきた。その経験が卒業レースでも生き、レースを見守った両親の前で、最高のプレゼントを贈ることができた。

　「卒業チャンプの名に恥じないように精進していきたい」。今後の目標は競輪選手としての活躍はもちろん、２０２０年の東京五輪での自転車競技で金メダルを取ることだ。「ダッシュタイプなのでスプリントレースで。自分の夢だし、競輪と競技を一緒に頑張りたい」。頼もしい将来のスター候補が誕生した。