【競輪】五輪ルールでエボリューション

 「KEIRIN EVOLUTION」(26日、いわき平)

 00年のシドニーから五輪の正式種目となった「KEIRIN(ケイリン)」は、日本の競輪がベース。26日のいわき平競輪9Rで、その五輪ルールに準拠した「KEIRIN EVOLUTION(ケイリンエボリューション)」が行われ、車券も発売される。参戦する7人は、かつて国際大会で鳴らした面々。普段の競輪とは違う風味の真剣勝負に注目だ。

 20年の東京五輪開催が決まり、競輪を統括するJKAも本腰を入れてきた。今回開催される「KEIRIN EVOLUTION」は、その第1弾といえるだろう。

 08年北京でケイリン銅メダルを獲得した永井清史、04年アテネでチームスプリント銀の長塚智広・井上昌己、96年アトランタで1キロタイムトライアル銅だった十文字貴信の五輪メダリストら7人が一堂に会し、一発勝負で覇を争うのが、今回の試みだ。

 五輪種目のなかでも「KEIRIN」は、日本の競輪がベース。「KEIRIN」が五輪の正式種目であることを認知し、五輪などの国際競技大会に出場する競輪選手の競技力向上を図るとともに、日本発祥である「競輪」の存在を広く知らしめることを目的として、「ケイリン エボリューション」は企画された。

 今回の開催は、五輪戦士も大歓迎。永井は「エキシビションではなくて車券を売り出すことになりますから、1着を取るよう頑張る。このような試みがあったらまた参加したい」と前向き。井上も「アテネで使用したカーボンフレームを持ち込んできました」と入れ込んでいる。

 また、シドニー、アテネ、北京五輪と3大会連続出場の長塚は「このレースが行われることにより今までと違うスターが誕生すると思う。既存のファンは大事ですが新たなファンにエボリューションの魅力を訴えたいので期待しています。ワクワクされるでしょう」と熱く語った。

 20年には東京五輪が開催される。現時点で日本のレベルは世界とかけ離れ、後れをとっているのは無視できない事実だ。プロの選手が競輪と自転車競技をより両立しやすい環境づくりなど、メダル獲得への課題はあるが、今回の開催はそんな閉塞(へいそく)感を打開し、前へと進んでいく大きな一歩になることが期待できる。

 東京五輪を見据えたスピード感あふれるレースは見応え十分。車券も手にすればワクワク感は倍増だ。「世界のケイリン」‐。その醍醐味(だいごみ)を堪能させてくれるはずだ。

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