【ボート】高野哲史進化続ける

 池田浩二の2度目の賞金王制覇で幕を閉じた昨年のボート界だが、賞金王決定戦優勝戦では毒島誠、新田雄史ら初出場組が堂々優出を果たすなど、確実に新勢力が台頭してきた。新年・2014年に飛躍が期待される若手に注目だ。近畿地区からいまや全国区へ飛び立とうとしている高野哲史(24)=兵庫・102期・A1=を取り上げる。

 2013年に立てた目標は次々とクリア。充実期を迎えたはずの高野が、今カベにぶち当たっている。昨年は3つの目標を立てた。

 第一の目標だった初優勝は、昨年7月の尼崎一般戦で達成。インからコンマ02のトップSを決め、堂々の勝利。「あの時は自信があったし、いつも通りに行けたと思う。でも優勝して以降、後半のリズムが悪かった」。優出ラッシュだった7月前に比べ、初V後の優出はわずか1回。Vの喜びよりも、リズムを持続できなかった事に、本人は心が揺さぶられているようだ。

 第二の目標は若手の登竜門である新鋭王座出場。9月、桐生ボートに全国から猛者が集結する中で、高野は予選を6位で通過。だが準優勝戦、仕掛け遅れが響いて優出を逃した。「王座は良かったけど準優が…。前のレースでF艇が出た中、自分がコンマ10のSを行けるかどうか。その辺りのメンタルが弱い」と、大舞台で自らの課題を改めて確認した。

 最後の目標はA1に上がること。これも期初めの貯金が効き、見事達成。今年からは晴れてA1としての闘いが始まる。「結果としては良かったけど、自分が考えていたA1と、今の自分にギャップがある。エンジン出しも、ターンもまだダメですね。初日にリズムを崩すと、その節はなかなか取り戻せない」。昨年末のびわこG2と尼崎新鋭リーグで6、5着を量産。それまで順調に階段を上ってきた高野にとって、今が初のスランプとも言える状態なのかもしれない。

 口から出るのは反省点ばかりだが、それも一つ上のステージに立ったからこそ見い出せたものだ。「ムラなくコンスタントに成績を残したいですね。A1でも大丈夫と思える強さを身につけたい。A1になった以上はキープしたいし、SGには出たいですから」と力強く語る。一つずつ課題をクリアしていけば、自らが思い描く強者へと限りなく近づく。2014年、殻をぶち破り、さらなる進化を遂げる高野から目が離せない。

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