【エ女王杯】マンボ“名牝”の仲間入り

 「エリザベス女王杯・G1」(10日、京都)

 雨粒をスパンコールにして、3歳最強牝馬が女王の座に君臨した。2番人気のメイショウマンボが大外を力強く伸びて完勝。牝馬としては史上7頭目となる年間G1・3勝目を挙げた。2着は6番人気のラキシス、3着には5番人気のアロマティコ。3番人気のデニムアンドルビーは5着、1番人気のヴィルシーナは10着に終わった。

 降りしきる雨音をかき消したのは、力強いマンボのリズムだった。古馬との初対戦も何のその、メイショウマンボが得意の決め脚でライバルたちを一蹴。武幸のエスコートに導かれ、オークス、秋華賞に続くG1・3勝目を挙げた。「テンションが上がるところがあるので心配していたが、秋華賞の時よりも落ち着いていたし、この馬の走りができると思った」。ゴール後は左手で小さくガッツポーズ。誇らしげな主戦の笑みがターフに映えた。

 絶妙な手綱繰りだった。道中は中団からやや前めで運行。3角から仕掛けて前団を射程圏に入れると、直線では手応え十分にスパート。大外を反応良く伸びて残り1Fで先頭に立ち、後続の追撃を難なくしのぎ切った。「内枠が気になっていたが、向正面でどこかがあくだろうなと。正直、全部うまくいきましたね」と完勝劇を振り返った殊勲の鞍上は、「たまにはボクのことも褒めてくださいよ」と、ちゃめっ気たっぷりに笑った。

 激闘の秋華賞から中3週での戴冠。3歳牝馬にとっては少々ハードなローテだったが、持ち前の回復力で打ち破って見せた。見届けた飯田明師は「中間はできるだけ調教をきつくしないようにして、状態は維持していたので心配していませんでした。最後は抜け出してくるのを待っていたが、やっぱり来てくれた。自然に拍手していましたね」と、孝行娘の走りをねぎらった。

 年間JRA・G1・3勝を果たした牝馬は、昨年のジェンティルドンナに続いて史上7頭目。名だたる名牝たちと堂々、肩を並べる存在になった。次走は現時点で未定ながら、牝馬戦線を統一した今、強豪牡馬が待つ舞台を避けて通るわけにはいかないだろう。「とりあえず古馬牝馬という壁を乗り越えた。次は牡馬を相手に戦うことになるけど、まだ3歳ですからね。力をつけて、そういうメンバーを相手にいい競馬ができたら」と主戦は意気揚々。雨中でひときわ輝いた人馬が、新たな頂点を目指して進撃を続ける。

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