【凱旋門賞】悲願ならず…オルフェ引退

 「凱旋門賞・仏G1」(6日、ロンシャン)

 世紀の瞬間は訪れなかった。日本馬ツートップのチャレンジから一夜が明けた7日、両馬は軽めの運動を消化。ともに大きなダメージは見られなかった。2年連続で2着に終わったオルフェーヴルは有馬記念(12月22日・中山)での引退が決定。鞍上は国内全戦で手綱を取る池添に戻ることが濃厚だ。一方、4着に敗退したキズナの次戦は未定。武豊は来年の再チャレンジを強く希望した。

 2年連続の2着。負けて強しだった首差の昨年とは異なり、今年のオルフェーヴルは5馬身差の力負けだった。それもあってか、池江師は決戦から一夜明けてもサバサバしていた。「精いっぱいやったし、悔いはない。全能力は発揮できたと思う。今までは状態がいまいちだったり、馬が未完成だったりで負けたことはあった。かみ合って負けたんだから仕方ない」。むしろすがすがしさすら感じさせつつ回想した。

 月曜朝は逍遙(しょうよう)馬道で乗り運動を60分。やはり疲れの色は見えた。「少しコズミはありましたね。体も少し減っているし、やりきった感はあります」。もうしばらくシャンティイにとどまり、15日に帰国する予定になっている。

 有馬記念で引退することが決まった。池江師は「有終を飾らせてあげたい。ファンもそういう姿を望んでいる。内容?とにかく勝つこと。勝つことにこだわります」と言い切った。手綱は酸いも甘いもともにした池添の手に戻ることが有力だ。スミヨンは年末までに短期免許での来日予定がなく、馬主のサンデーレーシング・吉田俊介代表も「ワンポイントで呼ぶ可能性?それはありません」とレース後に明言。池江師も「ほかに誰なのよ」と話したように、それは自然な流れだろう。

 足かけ2年、オルフェーヴルの凱旋門賞挑戦は終わった。だが、池江師はあきらめない。「とにかく挑戦し続けないといけない。トレヴと競馬ができて生で見られた。あれを宝にしないと。70歳の定年までに勝たないと引退するに引退できない」と、生涯をかけてこのタイトルを獲りに行くと決意した。

 オーナーサイドも気持ちは同じ。吉田俊介代表は「(完敗なので)これですっきり次の馬に期待する。できれば毎年チャレンジし続けると思います」と前を向いた。オルフェが見せてくれた“あと一歩”の夢は、次代のチャレンジャーに受け継がれていく。

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