【東京大賞典】ローマンG1初戴冠

 「東京大賞典・交流G1」(29日、大井)

 2番人気のローマンレジェンドが好位から脚を伸ばし、2度目の挑戦で初のG1タイトルを手に入れた。直線で内を突いたハタノヴァンクールが2着。1番人気のワンダーアキュートは直線での競り合いに屈して3着に敗れた。また、最終レース終了後に船橋のフリオーソと、大井のボンネビルレコードの引退セレモニーが行われた。

 息詰まる直線の攻防。内に岩田&ローマンレジェンド、外に和田&ワンダーアキュート。残り300メートルあたりから続いた激しいデッドヒート。いったんは外のワンダーがかわしたが、そこからが岩田の真骨頂だ。こん身の手綱でグイッとひと伸びして決着をつけると、最後は内から伸びてきたハタノヴァンクールを半馬身抑え、待望の金メダルをもぎ取った。

 ぎっしりと埋まったスタンドからの“岩田コール”に、両手を広げて応えた鞍上は「2番人気だったから(1番人気を)負かしてやろうと思って乗った」と興奮を隠せない。前走のジャパンCダートは、1週前のジャパンCでの自らの危険騎乗から手綱を譲った。「きょうは勝つためにきた。本当にうれしい」と喜びは全開だ。それでも「集中して走れていたけど、まだ本気度が伝わってこない」と課題も挙げる。

 自身は今年これで、香港での1勝を含めてG1・8勝目。「来年は世界に羽ばたく年にしようと思っている。秋にはジェンティルドンナで凱旋門賞に挑戦したい(現時点では未定)し、大きな目標を持ってやっていく」。デッカイ抱負をぶち上げると、再びスタンドから大きな声援が飛んだ。

 待望のビッグタイトルに、藤原英師は「これで(岩田は)プラスマイナスゼロだな」と笑った。1年前は1000万下特別を勝った身。そこから怒とうの6連勝。前走で連勝こそ止まったが「改めて強さが証明できた。もっとテッペンを目指せる馬。まだまだ成長するよ」と目を細めた。

 来春のドバイ遠征も浮上してきたが「オーナーと相談してから。とりあえず、来年の最大目標はジャパンCダートだね」と力強く宣言。次走への明言は避けたが、再び無限の夢が膨らみだした。

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