【ボート】智也、愛妻に贈る賞金王初V

 賞金王決定戦で優勝しイメージキャラクターの南明奈(左)と写真におさまる山崎智也(撮影・佐々木彰尚)
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 「賞金王決定戦・SG」(24日、住之江ボート)

 智也が愛妻の引退に花を添える賞金王初V‐。4号艇の山崎智也(38)=群馬・71期・A1=が4カドから華麗なまくり差しを披露。2Mで1番人気の松井繁を振り切って優勝、賞金1億円を手にした。妻で、今シリーズ直前に電撃引退を発表した女子のトップレーサー・横西奏恵さんが見つめる前での劇的V。ボート界屈指のイケメンレーサーが最後の大一番をド派手に締めくくった。

 12年ボート界を締めくくる最高峰の一戦は、実際のドラマ以上にドラマッチックな結末を迎えた。1周1M、先頭で突き抜けたのは人気を集めた1号艇の松井でも賞金ランク1位の井口でもなく、ランク12位のギリギリで住之江に乗り込んできた山崎だった。愛妻の電撃引退にも見劣りしない電撃まくり差しが、人気を集めた両者の間に鋭く突き刺さった。猛追する松井を2Mで振り切ると、あとは1億円Vロードを突き進むだけだった。

 「カミさんに舞台を整えてもらったので、優勝しかないと思っていた」。表舞台から去る愛妻に贈るクリスマスプレゼントは初の賞金王制覇と決めていた。前夜祭から、ことあるごとに彼女の名前を挙げて自らを奮い立たせて、見事に有言実行のV。レース後のピットで横西さんの姿を見つけると、最高の笑顔で抱き合った。

 優勝者インタビューには横西さんも同席。カメラのフラッシュが愛妻に集中すると「オレが優勝したのに」と苦笑いするなど、まるで結婚会見のような盛り上がりだった。

6年ぶり大舞台 エンジンの後押しもあった。前日のレースで他艇と接触して壊れたギアケースを交換するとパワーが急上昇。「(レース前の)特訓の感じで優勝する可能性は8割あるなと思った。足に余裕ができたのが大きい」。先行艇が転覆して奇跡の優出を果たすなど幸運続きのシリーズ。最後もボートレースの神様は山崎に味方した。

 かつては賞金王決定戦の常連だったが、今回が6年ぶりの大舞台。01年にはファイナルで18億円以上のフライング返還を出した苦い思い出もある。「ずっと(賞金王に)乗ってなかったのは努力と勝利の女神が足りなかったから」。女子ボート界のトップを走り続けた横西さんの愛とパワーを背負って、山崎が13年のボート界もドラマチックに演出する。

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