【朝日杯FS】トップ王者の風格

 「朝日杯FS・G1」(16日、中山)

 不敗神話は崩れない。デビューから無傷3連勝中のエーシントップは15日午前11時30分、小雨の降る中山競馬場に到着した。2歳にして530キロを超える雄大な馬体は、すでに王者の風格すら漂わせる。出張馬房に収まると、詰めかけた報道陣を気にすることなく、カイバをムシャムシャと食べ始めた。

 3戦とも違う競馬場で結果を出し、関東遠征も今回が2度目。「普段はおとなしいが、スイッチが入ると暴れるところがあるからね。でもきょうは車の中でも前かきひとつしなかった。輸送は気にしないタイプだが、落ち着いている。本当にメンタルの強い馬だよ」。初めての環境にも全く動じることのない愛馬を、蔵之下助手は頼もしそうに見つめていた。

 栗東坂路での追い切りは2週連続の一番時計。調教後馬体重は前走から6キロ増の540キロと、さらにボリュームアップしている。桁外れのパワーを秘めるだけに、馬場が荒れるのも歓迎。徐々に雨脚が強まるのを見て、「道悪でも大丈夫。逆に他馬が気にするようなら有利」とニヤリと笑った。

 「枠も内過ぎず外過ぎず、ちょうどいい」。デビューから2戦は大外枠で暴走気味に逃げたが、5枠9番なら前に壁をつくることができる。最優秀2歳牡馬を賭けた一戦。圧倒的人気のコディーノが相手でも譲るつもりは毛頭ない。

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