【朝日杯FS】武豊、大記録獲りたい!

 「朝日杯FS・G1」(16日、中山)

 2歳牡馬王者の決定戦へ、まずは“運”を手元に引き寄せた。賞金900万円馬による6分の5の抽選を、ティーハーフが突破。JRAの平地G1完全制覇という大記録にリーチをかけている武豊騎手(43)=栗東・フリー=にチャンスが巡ってきた。記録男が“一発ツモ”で新たな勲章をつかむか。なお13日に出走馬16頭が確定し、2戦2勝のタマモベストプレイは無念の除外に。枠順は14日に確定し、馬券は15日に前日発売が行われる。

 快挙達成なるか。前人未踏の平地G1完全制覇にあと“1”と迫っている武豊。朝日杯FSのティーハーフが見事に抽選をクリアし、大記録の実現にまた一歩近づいた。

 “王手”をかけた今年のマイルCS(サダムパテック)は2年ぶりのG1勝利。お立ち台はユタカコールに包まれ、改めて“競馬界に武豊あり”を示した。22レースあるJRA・G1のうち、21レースを制覇。G1初Vを決めた88年菊花賞(スーパークリーク)からビッグタイトルは66勝を数え、朝日杯FSさえ勝てばコンプリートとなる。「ここまできたら、ね。なかなかできることじゃないし達成したい」。数々の金字塔を打ち立てた記録男が意欲を見せる。

 通算21回目の挑戦でつかんだマイルCSのタイトルに対し、朝日杯FSの騎乗回数は12回。初参戦の94年(スキーキャプテン)を筆頭に、2着が3度と悔しい思いをしている。「回数が少ないのもあるかな。クラシックを狙う有力馬はラジオNIKKEI杯2歳Sに向かうから。新設G1もすぐ勝っているのにね」。そう言って、名手は13回目の挑戦に力を込めた。

 相棒のティーハーフには3回騎乗して、完全に手の内に入れている。ただ1200メートルで2勝しているが、今回は舞台設定が変わる。未経験のマイル戦の克服が鍵を握る。

 「行かせると掛かる。中山の千六は先行有利だけど、距離を重視して千六をこなす乗り方をしたい。しまいが切れるし、後ろからの方がいいだろうね」とイメージを膨らませる。西浦師も後押しだ。「距離は持つと思うし、自分の競馬に徹すれば。豊君も2歳戦だと、そのチャンスに恵まれることはなかなかないだろうから。ウチの馬で達成してほしいね」。残る1つのピースを求めて‐。競馬界の至宝の手綱さばきに注目だ。

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