人生相談編(下)「陸海空馬」を制し、仮面ライダーに感謝

 (Q)高齢者による車の事故が多発しています。運転免許の返納年齢を国・政府が決める必要があると思うのですが、どうでしょうか。(60代男性)

 (A)人には個人差があります。年齢でくくっても個々の能力は全然違うものですから、国が“何歳まで”と決めるより、個人の責任で判断すべきではないでしょうか。運転中に自分で「おかしいぞ」と感じたら、そこで潔くやめる勇気が大事だと思います。

 私は仮面ライダーでバイクを運転するイメージが付きましたが、二輪免許は高校を卒業して18歳の時に取りました。東京に来てから、自動車は普通と大型特殊、大型二輪、さらに小型船舶、航空機の自家用操縦士と「陸・海・空」の全てで免許を取得しました。自分の知能に刺激を得て、生き方においても乗り物を通して自己を確認する作業を自主的にやってまいりました。

 馬もそうですね。世界中で馬に乗ってきました。裸馬も含めて。

 人間の体の機能は、その人の意志によって動いていくもの。私もその時が来たら自分の変化を読み取り、流れを感じ、自己を見つめて判断したいと思います。免許に限らず、物事を判断するのは何事も“誰かに決めてもらう”という他力本願ではなく、自力本願であるべき。そのことを、ご質問に対してお伝えしたいと思います。

 (Q)仮面ライダー放映当時に小学生だった直撃世代です。本郷猛を演じられたことについてどう思われますか。(50代男性)

 (A)仮面ライダーは子供たちの純粋な心に善悪とは何かということ、そして一番に「愛」を伝えました。愛のためには命をかけて戦うべきだと。原作者である石ノ森章太郎先生の思いもそこにあったと思います。

 俳優の原点で大きな荷を背負わされた私に「ヒーロー物の呪縛から離れられない」と言う人もおられましたけど、逆に良かったと思っています。子供番組、何が悪いんだと。未来を作る宝である子供たちにメッセージを届けられて、こんな喜びはない、役者冥利に尽きると。その子供たちが大きくなり、仮面ライダーの思い出と感動を背負って社会の中枢で戦われている。この連綿たる魂の継承に携わることができて、私は感謝しています。

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