月組スター風間柚乃主演「稲妻開化譚」開幕 芝居巧者ぶり光る
宝塚歌劇団月組スター風間柚乃主演ミュージカル「稲妻開化譚」13日、兵庫芸術文化センター阪急中ホールで開幕した。
明治18年の東京を舞台に、昼は新聞記者、夜は怪盗「稲妻小僧」として暗躍する東瀬風馬が光と共に闇を抱えた帝都を駆け抜ける男の生き様を描いた作品。反目しながらも惹かれ合う士族の娘・麻里とはコメディタッチで笑わせ、また親子の情で泣かせる、上質のミュージカルに仕上がった。
風間は芝居巧者らしく、緩急自在のセリフ回しでグイグイと物語の中に引き込んでいく。戊辰の戦で生き残った少年兵としての苦悩、彩海せら演じる幼なじみの田丸信造や確執ある父との影のあるシリアスさ、一転して白河りり演じる麻里との軽妙なやりとりが、どちらも自然なつながりで、見る者を納得させる。白河は歌声も美しく、明るいヒロインを好演した。
彩海演じる信造も少年兵の生き残り。長州に恨みを持ち、苦界に身を沈めた幼なじみの少女を救うため、政府転覆に手を貸す。長州憎しのあまり、西南の役等の戦場に身を投じるなど、維新後も前に進めずにいる様を丁寧に表現した。
また伊藤博文役の佳城葵の軽妙洒脱な台詞回し、風馬の父役の英かおとの隠した男気、そして伊藤の妻梅子役の梨花ますみの全てを受け止めるおおらかさなどで、しっかり脇を固めていた。
22日まで。KAAT神奈川芸術劇場は10月4日~10日。
