「三婆」で共演の渡辺えり「天国でも好きな歌を」波乃久里子「後にも先にもおねえちゃま以外にはいない」 水谷八重子さんを悼む
劇団新派を代表する俳優で、映画、テレビでも活躍した水谷八重子(みずたに・やえこ、本名松野好重=まつの・よしえ)さんが8月28日午後0時18分、肺炎のため都内で死去した。87歳。東京都出身。葬儀は近親者で行う。後日、お別れの会を開く予定。父は歌舞伎俳優の十四代目守田勘弥さん、母は初代水谷八重子さん。ジャズ歌手としても活躍し、NHK紅白歌合戦に出場するなど、多才な芸で魅了した。
水谷さんと新派喜劇公演「三婆」などで共演してきた俳優の渡辺えり(71)が31日、デイリースポーツの取材に応じ、沈痛な思いを明かした。
「2年前から舞台の新作で一緒に二人芝居をやりましょうと言われていました。『今度、新作を書きますね』と約束をしてそれがかなわないまま…。でも亡くなったその顔も美しかったです。
入院なさってからもSNSでやりとりはしていました。本当にお若い感覚の持ち主でした。舞台の上でものすごく芝居がやりやすい、年下の私がどんなことをやっても受けてくださる方で、その存在感がすごかったです。(芝居の)キャッチボールでどんな球を投げても受けてくれる。どんなアドリブでもきちっと心が入っている。
残された言葉で心に残っているのは『恐れることはない』と言っていただけたことです。私が神経質な方なので、すごく救われた言葉でした。
水谷さんも亡くなられ、あと美輪明宏さんも亡くなられ、永遠に生きているんだろうと思われる方が、今年になって亡くなられて…。自分の中にある細胞が一つずつなくなっていくようなさみしさです。
本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。ゆっくり休めと言ったら嫌でしょうから。天国でも好きな歌を歌い続けてください」
◆波乃久里子「おねえちゃまに初めて出会ってから66年…家族よりも長く本当の姉妹のようにたくさんの喧嘩もしました。なのに一旦舞台に上がると阿吽の呼吸…後にも先にもこれはおねえちゃま以外にはいないと思ってます。初めて先生(八重子さんのお母様)にあった時、天女のようなその美しさに驚いたけど、最後におねえちゃまの顔を見た時さすが先生の娘…本当に美しかった。面と向かって一度も言ってないかも知れない『お疲れ様でした。本当にほんとうにありがとう…』」
