【The LDH Times】DOBERMAN INFINITY・林和希 NYで感じた空気と言葉届ける リード曲「you」バズリ中

 DOBERMAN INFINITY・KAZUKIこと林和希(34)の繊細な音楽表現が支持を得ている。23年5月にソロデビューし、R&Bのエッセンスを取り入れた色気のある楽曲を発信してきた。24日に2ndアルバム「to」を発売。リード曲「you」のミュージックビデオは、投稿1カ月で400万再生を突破。全ての楽曲制作を自ら手がけ、アーティストや若年層の心に刺さりまくっている。ソロとして本領を発揮している林に話を聞いた。

  ◇  ◇

 -2ndアルバム「to」のコンセプトは?

 「自分のルーツであるR&Bというジャンルを貫きました。自分の中で変化が欲しいタイミングだったので、R&Bのルーツでもあるニューヨークに何度か行きました。感じた物を手探りで作って、1年半かけて制作した。前作のアルバム『I』を出してから、ソロでどういう作品を書いていくか、何も生まれない時期が続いていた。変化が欲しくて、本場のニューヨークの空気に触れに行ったんです。改めて音楽が好きだなと実感した」

 -前作からの成長は?

 「前回は初めてのソロアルバムだったので、『これが俺だ』と音楽観を見せびらかしたかった自分がいた。今回は届けたい言葉を誰かに共有したかった。自己満より誰かに届けたいって思った」

 -リード曲「you」がヒット中。手応えは。

 「まずはうれしかったですね。大切な一曲。100%良いでしょ?という自信があった。一言一句にこだわって練って作ったので、この曲をリード曲にすることは最初から決めていました」

 -感情の変化を機敏に歌詞に落とし込み、人々の心をつかんでいる。

 「普段話していて、言い回しがうまいと言われることはない。歌詞は小説みたいな書き方でありたい。ワードチョイスに色気や雰囲気を感じさせたい。日本語の面白さにのめり込んでいます。言葉の意味を調べることもあるけど、だいたい採用されない。結局、言葉が下りてくるのを待つしかない。そういう出来事が人生の中で起きるのを待つスタイルです。トラックを作って、メロディーを入れて、それをニューヨークで聞きながら、歌詞をはめるスタイルが自分の王道です」

 -R&Bということもあり、ソロ曲は夜に似合う曲が多いですよね。

 「夜から抜けられないんですよね。昼の曲も書きたいんですけど、結構夜になる。昼の出来事があまりなくて(笑)」

 -ソロデビュー2年。成長は感じている?

 「初ツアーの時、本当にヤバかったですよ。前日に話せなくなった。近場の会場でもゾーンに入るために、前日は必ずホテルに泊まる。一人でセリフを言ってみるけど、声が出なくて。それくらい緊張していたけど、今回のツアーは緊張はほぼない。心地よいくらい楽しめているんです」

 -来年2月まで続くツアーについて意気込みを。

 「あと3公演で終わるのがすごく寂しいです。ステージに立てる事ってめちゃくちゃ幸せだなってうそなしで思えている。悔いの残らないように前回のライブを超えていきたい。もっと行ってない土地に行って、ゆくゆくはアリーナに。アリーナの景色を見るまで、絶対に辞められない」

 -今年の漢字は?

 「『旅』です。去年まで海外に全然行っていなかったけど、怪しまれるくらい何度も行った。遮断して書く時は書きに行く。新しい物を取り入れるインプットの年でしたね」

 -印象に残った旅先でのエピソードは?

 「ニューヨーク滞在中に1人で海に行ったんですよ。海の家でドリンクを頼んだら、女性の店員さんから『あなた名前は何?』と言われて『あれ?これはもしかして?』と思った。ChatGPTに『女性の店員さんに名前聞かれたんだけど、どういう事だと思う?』と聞いたら『料理ができた時に名前を呼ぶやつで当たり前です』と返ってきて。勘違いしました」

 ◇林和希(はやし・かずき)1991年6月13日生まれ。岐阜県出身。14年にヒップホップグループ・DOBERMAN INFINITYとしてデビュー。グループ活動時は「KAZUKI」の名義で、唯一のボーカルとして多くの楽曲でサビを担当する。23年5月に「林和希」としてソロデビューを果たす。トラック制作から作詞作曲まで一人でこなしている。幼少期からR&Bにハマり、繊細に感情を歌い上げるのが得意。LDH屈指の歌唱力を誇る。

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