嵐山光三郎さん逝く 肺炎、83歳 虎党でデイリーでコラム連載「おやじ」の心情をユーモア交え川柳に
軽妙なエッセーやテレビのバラエティー番組でも人気を集めた作家の嵐山光三郎(あらしやま・こうざぶろう、本名・祐乗坊英昭=ゆうじょうぼう・ひであき)さんが14日午後6時、肺炎のため死去したことが28日、分かった。83歳。浜松市出身。葬儀は近親者で行った。虎党としても知られ、デイリースポーツでコラム「おやじ主義」を連載していた。
嵐山さんは2003年にデイリースポーツでコラム「おやじ主義」を担当した。当時の「おやじ」の心情をユーモアを交えた川柳に仕立て上げ、原稿化。第1回は、妻の元に届く年賀状の内容に猜疑心を抱く心情をつづり「妻にくる 年賀状の相手 気にかかり」の一句を添えた。8月には不倫相手と家族風呂に入ることのむなしさを「家族風呂 だけが知ってる さめた恋」と詠んでいた。
同コラムは03年の1年限りで終了。この年はプロ野球・阪神が18年ぶりにリーグ優勝を達成。大の虎党で、開幕から独走したことから6月には「おやじ」を「阪神」と入れ替えた「阪神主義」をデイリースポーツに寄稿した。
欄内では「打線は金本ハンがいいですね。ここぞというときにバチーンとくる。ミスターツーベースの今岡は、野村監督のときはゼブラなんていわれていたけど、大きくかわった。見たかノムさん、どんなもんだい」などとユーモアを交えて分析。「変わっていないのは『六甲おろし』だけだ。ファンと一体となったときのトラは強い」と猛虎愛をつづっていた。
◆「おやじ主義」で登場した川柳の一部
・松茸を後家に届ける下心
・風鈴の音にあわせて腰使い
・タイガース勝ってナニワは子が生まれ
・イッパツが出てプロ野球ニュース見る
・盆踊り妻にうっかり欲情し
・泥棒がつい見とれてる新所帯
・雪の夜や女の肌のあたたかさ
・すっぴんのかわいい口で嘘をいう
