大失速8位にぼう然のマリニン「まだ何が起きたのか自分でも整理がついてない」五輪重圧「緊張に圧倒されてしまった。自分で自分をコントロールできなかった」個人戦2年負けなし14連勝中の“4回転の神”がまさか
「ミラノ・コルティナ五輪・フィギュアスケート男子・フリー」(13日、ミラノ・アイススケートアリーナ)
男子フリーが行われ、世界王者で、SP首位のイリア・マリニン(21)=米国=は、2度の転倒を含むジャンプミス連発でフリー15位と大失速。合計264・49点でまさかの8位に終わり、米国勢は22年北京五輪を制したネーサン・チェン(米国)に続く連覇はならなかった。マリニンは23年11月のGPフランス杯で2位になった以降は、個人戦14連勝中だったが約2年3カ月の敗戦。無敵と思われた“4回転の神”を五輪の魔物が襲った。
“4回転の神”と称される男が五輪の魔物に飲み込まれた。2本目に挑んだ代名詞の4回転半ジャンプが1回転半となると、その後もことごとく4回転が決まらない。誰もが優勝候補とみていた21歳がもがき苦しむ姿に、会場からは悲鳴が漏れた。演技後は頭を抱え、得点が表示されるとぼう然とした表情で見つめた。
競技後は「正直なところ、まだ何が起きたのか自分でも整理がついていない。感情が入り混じっています。今日一日ずっと調子は良かったですし、手応えもありました。いつも通り、自分が積み重ねてきたプロセスを信じて滑ればいいだけだと思っていました。でもやはりここは他の大会と違います。オリンピックです。内側から沸き上がるプレッシャーや緊張感は実際にその場に立ってみないと分からない。とにかく圧倒されてしまい、自分で自分をコントロールできていないような感覚でした」と、失意の表情で振り返った。
1つ1つ言葉を選びながら「はっきりとした原因は分からない。緊張だけでなく、氷の状態も理想とは少し違っていた。ですが、それは言い訳にはなりません。どのような状況であっても私たちは滑らないといけない。ただ、緊張に圧倒されてしまった。スタートのポーズにつく直前に、これまでの人生の辛かった記憶が頭の中を駆け巡り、ネガティブな思考でいっぱいになってしまった。それにうまく対処できなかった」と、首を振った。
