フジ&HD ダルトン案NO!新役員候補発表「敵対するつもりない」も北尾氏ら12人全員含まれず
フジテレビ親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)は16日、大株主である米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが提案した12人の社外取締役候補全員の「選任を反対する」との意見を公表した。会社提案として、新たな取締役候補に前ファミリーマート社長の澤田貴司氏ら4人を充てる人事を発表。フジテレビの清水賢治社長ら7人を含めた11人を6月25日開催の定時株主総会で諮る。清水氏はこの日、都内で開催された定例取締役会後に記者会見を行った。
外圧に「NO」を突きつけた。定例取締役会で決議された取締役候補には、ダルトン側が提案していたSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長ら12人全員が含まれず。会社提案として澤田氏や弁護士の花田さおり氏らを入れた新たな取締役候補を公表した。
清水氏は「北尾さんと敵対するつもりはない。北尾さんの案や実績を含めて極めて尊敬するべき方」とした上で、候補に入れなかった理由を「われわれが進めてきた改革プランを実行するための最適の候補者の構成を既に進めていたので、この構成が最適と判断した」と説明した。
ダルトンが挙げていた近藤太香巳・NEXYZ.Group社長兼グループ代表はこの日、TBS「Nスタ」の取材に対し、「全員外すっていうのは想定外」と述べた。
北尾氏は先月17日に記者会見で「敵対するとしたら私も徹底的に勝負します。対抗しようというのならいつでも受けて立ちます。(株式を)5%ぐらい買うのはわけないこと」と断言しており、態度を硬化させることは必至。ダルトンの出方次第で総会での議決権の委任状争奪戦に発展する可能性もあるが、フジ側は最終的に、ダルトン案を拒否しても総会を乗り切れると判断したようだ。
フジHDがこの日、公表した25年3月期連結決算は、元タレントの中居正広氏の「性暴力」に端を発する一連の問題が響き、純損益が201億円の赤字に転落した。赤字は97年の上場以来初で、ファンドとの対立が強まれば業績立て直しに悪影響となりかねない。清水社長は「株主が判断すること」と話した。
また、中居氏の代理人弁護士が12日、フジHDとフジテレビが設置した第三者委員会の報告書に反論したことについて、清水氏は「第三者委員会の調査は独立したもので、私どもが何かのコメントを出す立場ではございません」と回答。関係者の処分について「弁護士の監修のもと、丁寧に調査を進めている」と説明した。時期は5月中をめどとしているという。
