【山田美保子のミホコは見ていた!】「あんぱん」オーディションにドラマあり
11日放送の「午後LIVEニュースーン」(NHK)で明らかにされたのは現在放送中の連続テレビ小説「あんぱん」で嵩(北村匠海)の幼少期を演じた木村優来のオーディション秘話だった。
(以下、ネタバレあり)200人以上の中から「小学生ながら哀愁がある」との理由で選ばれた木村。母・登美子役の松嶋菜々子の後ろ姿を見送るシーン撮影のために弟・千尋役の候補を横に立たせ、背格好や景色とのバランスまで考慮しながら平山正剛に決まったという。
ヒロイン・のぶ役の今田美桜が歴代最多の3365人が応募したオーディションで選ばれたのは既に知られている話。最終カメラテストでは、のぶが得意な“走り”も判断材料となり、加えて、天真爛漫さや笑顔も決め手になったという。「実に素晴らしい女優さんたちの競合となり、その中からたった一人を選ばなければならない私達(スタッフ)はとっても真剣勝負でした」とは脚本を担当する中園ミホ氏の弁。結果、今田のオーディションでの演技には「スタッフの何人かは涙を流していた」とも語る。
同オーディションには、のぶの妹・蘭子役の河合優実や、末妹・メイコ役の原菜乃華も参加していたそうで、制作統括の倉崎憲チーフプロデューサーは「圧倒的な芝居力と天真爛漫さで次女と三女役にピッタリ」と二人の起用理由を明かしている。
さらには、のぶの幼なじみ・うさ子役は「大奥Season2 幕末編」(同)で徳川家茂を演じたのを始め、近年主演を含むドラマや映画に連投している志田彩良。過去にもヒロインの妹役や友人役を演じた女優が後の朝ドラで主演の座を射止めた例を考えれば、いずれ河合や原、志田にもチャンスが巡ってくるのだろう。
そして14日の放送に海軍中尉の貴島勝夫役で登場した市川知宏のオーディション秘話にも注目が集まっている。「貴島中尉」がXでトレンド入りしたほど視聴者にインパクトを与えた市川が朝ドラのオーディションを受けたのは2014年の「花子とアン」以来で、当時のことを憶えていた柳川強監督が市川に声をかけ、約10年越しで朝ドラ出演が叶ったのだという。「第21回ジュノン・スーパー・ボーイ」でグランプリを受賞し、チュートリアルの徳井義実に似ていると話題になったのは17年も前のことである。4月3日には元乃木坂46の永島聖羅との結婚を発表したばかりなので「あんぱん」出演は弾みになったことだろう。朝ドラには“ドラマ”がある。
