西田敏行さんお別れの会 米倉涼子が号泣弔辞 三谷幸喜氏は爆笑誘う 故郷・福島モチーフの祭壇 共演者の参列多数
昨年10月17日に76歳で死去した俳優・西田敏行さんの「お別れの会」が18日午後1時から、東京都港区の増上寺で執り行われた。
ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」に主演した女優、米倉涼子や脚本家の三谷幸喜氏、五人会として親交を温めた、俳優の柴俊夫と歌手の松崎しげるが弔辞をよんだ。
米倉は遺影に「敏ちゃん」と親しみを込めて呼びかけた。「いつしか、西田さんから敏ちゃん。あこがれから願いかなって、共演者、カラオケ仲間、相談相手にもなって、目標とする俳優になりました。ドクターXというドラマを通じて、家族同然の存在になり、まるでワープでもしたかのように逝ってしまった。心の準備もなく、電車の中で大声で泣いてしまったことを覚えています」と話した。
続けて「体いっぱいで人生を謳歌している敏ちゃんは、人間としても目指したい存在ナンバーワンなのです」「甘えたり、怒ったり、意見したり、どんなときも人の中心にいました」と万感を込めた。
さらに「ありがとう。役者としての基礎をもたない私が不安でいたことを、敏ちゃんの背中が見せてくれた」「惜しみない愛情がこもったたくさんのアドバイス、ありがとうです」と感謝。「天国からこれからもずっと日本のエンタテインメント界を見守って下さい」と呼びかけ、「大好きだよ」と締めくくると号泣した。
三谷氏は、「いつも明るい方でした」と切り出し、かつて、西田さんから聞いた「西遊記」の撮影秘話を披露。富士の裾野での撮影で「休憩中にどうしても我慢できなかった」西田さんは、草むらでそっと「脱糞された」といい、そこへ自衛隊が通りかかり「思わず(西田さんに)敬礼した」という爆笑エピ。
「これにはいくつかバージョン違いがあって、戦車が通った、パラシュート部隊が降下した」といったものがあったとし「今となってはどれが本当か、確かめるすべはない」と語った。
映画では三谷の脚本について「こんな面白いシーンを書いてくれてありがとう」と言ってくれたといい、その言葉が何より嬉しかったと振り返っていた。
柴は、「素晴らしい作品をやりとげたと思っています」「記憶に残る心に残る俳優だった」「西やん、あなたは私の誇りです、お別れは言いません。また会いましょう」と遺影に語りかけた。
参列者も豪華。「ドクターX」からは岸部一徳、内田有紀、遠藤憲一、勝村政信、鈴木浩介ら、「釣りバカ」で夫婦役を演じた浅田美代子らが参列した。新木優子、大森南朋、田中健、観月ありさ、石塚英彦らも最後のお別れを告げに会場入りした。
祭壇は、西田さんの生まれ故郷・福島の「磐梯山」をモチーフとし、「天鏡湖」とも呼ばれる「猪苗代湖」もあざやかに表現。福島の県花「ネモトシャクナゲ」208本や桜の枝50本を用いたほか、菊・桃・梅・ダリア・ソリダコなど計4000本の花で豪華に彩られた。その中央で、23年2月に撮影された穏やかにほほ笑む西田さんの遺影が飾られた。
祭壇の周辺には西田さんがこれまで出演してきたドラマや映画の名シーンを映した57枚に及ぶ写真なども展示。祭壇への入り口には「ドクターX~外科医・大門未知子~」で演じた蛭間重勝のパネルや各シリーズでの出来事を映した「蛭間重勝の軌跡」と題した展示物、「釣りバカ日誌」のポスターなども飾られた。
