あいみょん 涙の凱旋 甲子園ライブに4万5000人 AIMに歌声届けた

 女性シンガー・ソングライターあいみょん(27)が5日、地元である兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で、「AIMYON弾き語りLIVE2022-サーチライト-」を行った。甲子園ライブでの弾き語り公演とセンターステージは、いずれも史上初めて。バット型ペンライトを揺らす4万5000人のAIM(ファン総称)に歌声を届け、感極まって涙をこぼした。

 高校野球でおなじみのサイレンが鳴り響くと、ベンチ脇からグラウンドへ足を踏み入れた。「ずっとソワソワしてて。この景色が見られて緊張がほどけました」。二塁ベース付近に設営されたセンターステージに一人で立ち、「しっかり全部受け止めたい」と万雷の拍手を浴びて、感謝を伝えた。

 ステージは回転構造で、聖地の中心で360度全方向のファンと目を合わせた。甲子園駅前には巨大あいみょんバルーンも設置され、「小さい頃から暮らしてた町が、自分一色になってるのがホンマにビックリ」と凱旋唱に感無量。阪神のマスコット・トラッキーのポシェットを取り出して、「カイロ入れてもらってんねん」と“ご当地ネタ”も忘れなかった。

 甲子園に並ぶ憧れの場所である、大阪・万博記念公園の太陽の塔をイメージした「tower of the sun」の歌唱中には感涙。学生の頃の悩みを語りつつ、「甲子園の景色を見ながらこの曲を歌えるのはグッとくるし、救われた気持ちになりました」と胸中を吐露して、涙をぬぐった。

 シンガー・ソングライターとしての原点でもある西宮。中学でギターを始め、高校からは作曲にも取り組んだ。2016年1月、ハタチのときに上京したが、「めっちゃイヤでした」とデイリースポーツのインタビューで回想。6人きょうだいの大家族と離れるのが、何よりつらかった。

 下積み時代には隣接する商業施設「ららぽーと」でインストアライブも経験。観客はほとんど知り合いだけだったが、今ではマンモスを満員に。巣立ちから6年10カ月、故郷に錦を飾って、あの頃の自分にかける言葉は「知らない親戚がすごく増えるよ(笑)」とユーモアたっぷりだ。

 3時間に及んだ“ホームの宴”で代表曲「マリーゴールド」やこの日のために作った新曲「サーチライト」など19曲を、ギターを相棒に熱唱。ラストは虎柄リリーフカーで場内一周し、「西宮に生まれて、シンガー・ソングライターになれて良かった」と達成感を漂わせ、地元に最高の思い出を刻んでいた。

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