乙武洋匡氏「政党の壁ってすげえ」初当選ならず「日本に多様性もたらす、スタート地点に」

 第26回参院選は10日、投開票された。全国最多の34人が立候補し、著名人も多く参戦して激戦区となった東京選挙区では、作家の無所属乙武洋匡氏(46)、小池百合子都知事が支援した諸派荒木千陽氏(40)の落選が確実に、立憲民主党の蓮舫氏(54)の当選が確実になった。

 会場で支援者ら約40名と共に投開票を見守った乙武氏。落選を告げられても、表情は晴れ晴れとしていた。「政党の壁ってすげえなって。手も足も出なかったけど、無所属を選んだことに1ミリも後悔はないです。今は本当にすがすがしい気持ち」と笑みを浮かべた。

 それでも、選挙活動には約1600人のボランティアが参加し、寄付金も3000万円集まっただけに「これ以上ないくらいの戦い方ができて、このくらいの数字かって。悔いはないけど、悔しいね」と本音を吐露。「僕らの生きづらさ、社会課題を争点にすら挙げてもらえなかった」と悔しさをにじませた。

 「『また次、政治でチャレンジをします!』という答えは今すぐ出せないくらいに燃え尽きました」としながらも、「僕の夢は破れていない。僕の夢は日本に多様性をもたらすことなので、ここをスタート地点としてまた積み重ねていきます」と前を向いた乙武氏。

 支援者から、18日間に及ぶ選挙活動の様子を収めたアルバムを贈られると目に涙を浮かべ「やるべきこと、やれることはやりきった。悔いのない戦いをさせてもらえたのは、みんなが支えてくれたおかげ。本当にありがとうございました!」と、約10秒間深々と頭を下げ感謝を示した。

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