自民党新総裁に岸田文雄氏 第100代首相へ!河野太郎氏を決選投票で制す

 壇上でタッチを交わす(左から)野田幹事長代行、菅首相、岸田新総裁、高市前総務相、河野行革相=都内のホテル(撮影・西岡正)
 新総裁となり、祝福の拍手に手を振って応える岸田文雄自民党新総裁(中央)=東京・グランドプリンスホテル新高輪(撮影・西岡正)
 菅義偉首相(左)と並んで両手を上げる岸田文雄自民党新総裁=東京・グランドプリンスホテル新高輪(撮影・西岡正)
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 自民総裁選は29日、都内で投開票され、岸田文雄前政調会長(64)を第27代総裁に選出した。岸田氏は1回目の投票で河野太郎行政改革担当相(58)を1票上回ったものの過半数に達せず、決選投票の末、河野氏を大差で破った。総裁任期は24年9月末までの3年間。岸田氏は両院議員総会で「全員野球で、党一丸となり衆院選と参院選に臨もう」と呼び掛けた。10月4日召集の臨時国会で、退陣表明した菅義偉首相の後継となる第100代首相に指名される。

 開票結果が発表されると、岸田前政調会長は小さくうなずき上を向いた。「国難が続く。コロナ対策に必死の覚悟で努力を続けていかなければならない。今日から全力で走り始める」。あいさつすると会場から拍手が上がった。記者会見では「特技は人の話をよく聞くこと。多くの国民の声を聴き、一つ一つ丁寧に答えを出したい」と抱負を語った。

 1回目の投票で大方の予想を覆し首位に立った。党員・党友投票による「地方票」で河野太郎行政改革担当相に水をあけられたものの、国会議員票を手堅くまとめた。

 周囲の評価は「とにかく真面目」。人の声に耳を傾ける姿勢から高校でのニックネームは「ボクらのパパ」。よく知る人々は「国民に寄り添ったリーダーに」と期待する。一方「意見を聞き過ぎると動きが取れなくなる」と心配の声も。官僚から政治家となった父と同じ東大を目指すも3年連続で不合格。岸田氏は「挫折」と語る。

 地元の広島市では、約200人の支援者や地元議員らが中継を見守り、喜びを分かち合った。菅首相に敗れた前回総裁選を念頭に「強くなった」とたたえた。

 会見で岸田氏は、新型コロナ対策に「全てを懸けて必死に取り組む」と強調し「年内に数十兆円規模の経済対策を策定する」と表明。党役員は1期1年、連続3期までにするとした党改革案に「思いは1ミリたりとも後退してない」と述べた。

 経済対策について「新しい資本主義を構築し、成長と分配の好循環を実現し、果実を全国津々浦々に届けたい」と強調。19年参院選広島選挙区の買収事件を巡る河井案里氏陣営への1億5千万円投入に、党の説明状況を確認した上で必要があれば説明するとした。

 岸田氏は一任を受けた党役員人事を1日にも実施する意向。新執行部を発足させ、間近に迫る衆院選に向け挙党態勢の構築を急ぐ。新内閣発足後、所信表明演説と各党による代表質問後、衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が強い。

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