渡さんの美学 舘の思い……石原良純、恩師見送れなかった胸の内“代弁”

 渡哲也さんの自宅に届けられた吉永小百合の供花=都内(撮影・伊藤笙子)
 宮城県石巻市で炊き出しを行う舘ひろし(前列左)と渡哲也さん(同右)=2011年4月
 石原良純
3枚

 俳優・渡哲也(わたり・てつや、本名・渡瀬道彦=わたせ・みちひこ)さん(享年78)が10日に死去していたことが判明し一夜明け、タレントの石原良純(58)が15日、コメンテーターを務めるテレビ朝日系「週刊ニュースリーダー」(土曜、前8・00)に生出演。舘ひろし(70)との電話でのやり取りを明かし、最期の対面を果たせなかった悲しみと、故人の遺志を守り、静かに送ることに徹する舘の思いを“代弁”した。また、渡さんの故郷の兵庫県淡路島では、地元民が追悼の思いをにじませた。

 「静かに送ってほしい」-。渡さんの強い希望で、葬儀は家族だけで執り行われ、偲ぶ会も実施しない。舘ら石原軍団も、最期を見送ることはできなかった。恩師の志を尊重すべく、悲しみを押し殺そうとする舘の沈痛な思いを、良純は代弁した。

 故石原裕次郎さんの甥で、かつて自身も石原プロの一員だった良純は14日に舘ひろしに電話したところ、舘から「良純、それは上が決めてんだぞ。上がそう言ってんだ。上が決めてんだから、その中で整理をつけていくもんだ」と言われたという。恩人との永遠の別れ。コロナ禍で見舞うこともままならず、最期の対面を果たすことも叶わなかった。しかし、そんな悲痛な胸の内は封印し、軍団としての生き様を体現しようとする舘の、苦渋の思いがにじんでいた。

 良純は、そんな葛藤をおもんぱかり、「舘さんももちろん寂しかったでしょうし、僕も本当にこのまま何もないのかなと信じられないところあるんですけど、渡さんが言ったことを僕らは守っていくだけ。そうやってきた」と涙をこらえながら語った。

 舘は現在、新作映画の撮影中で、この日は終日オフ。都内の渡さんの自宅に、姿を見せることはなかった。石原プロ関係者は「落ち着くまで、表に出ることはないと思います」と代弁。絆を自負するからこそ、渡さんの最後のメッセージを全うするつもりだ。

 また、渡邸には、映画「愛と死の記録」(66年)や宝酒造「松竹梅」CMで共演した吉永小百合(75)をはじめ、長渕剛(63)・志穂美悦子(64)夫妻ら芸能関係者から供花が届けられたが、芳名名札のみを受け取り、花は辞退した。自らの死に際し、華美なことは一切しないという渡さんの美学が、徹底して貫かれた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス