女優の浜辺美波（１９）が映画「屍人荘の殺人」（１２月１３日公開）で“怪演”を見せている。過去作の影響でか弱いイメージが定着していたが、本作では謎の美人女子大生名探偵役として白目をむくなど個性を爆発させている。コメディエンヌの才能を開花させており、今年は映画３本、来年は主演映画２本の公開を控えている。かわいいだけではない愛されキャラで、タレントの明石家さんま（６４）をもメロメロにする１９歳の魅力に迫った。

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　白い肌にキュートな笑顔。天然キャラも兼ね備えた浜辺に、芸能界の大御所もノックアウトされていた！

　今年５月にフジテレビ系バラエティー番組「さんまのまんま３５年目突入ＳＰ」にゲスト出演。さんまから「娘にしたくなった」と言われた浜辺は「さんまさんの遺伝子はほしいです」とドッキリ発言。見事さんまに“お気に入り認定”された。

　さんまへの発言の真意について「明石家さんの秀逸なトークに、必死に応えているうちに出てきた言葉ですよ」と説明。取材中もじっと記者の目を見て話し、たまに小ボケを挟んでくる。天性の愛されキャラで映画関係者の間でもファンが多い。

　父、母、７歳下の弟と４人家族。石川県に住む家族は「笑いが絶えない。父は威厳はなくて、おかしい人です。天然で常に笑いを取りに来ようとする」。笑いに困らない温かい家庭で伸び伸びと育ったことで、浜辺の天然キャラクターが育成された。

　それだけに、一見のほほんとして見えるが、野心家の一面も。新しい年を迎えるたびに目標を作っている。「目標を口に出して記録に残すことで自分にプレッシャーを課しているんです」。ぶれない強い信念が浜辺を着実に前進させる。１０代最後である今年は「聞く」ことを目標に設定した。

　幼いころから疑問を口にすることが苦手という浜辺。芸能界に入りたてのころは、困ったことも多かったという。「分からないということが恥ずかしいと思えた。聞けなくてどうしようもない時があった」。このままではいけないと決意。疑問を口にし、かみ砕いていくことで徐々に演技に対して苦手意識がなくなっていった。「聞くことが恥ずかしい年齢になる前に分からないことを解決したい。それで成長できればうれしい」。正面から向き合うことで作品への理解を深めようとしている。

　１７年公開の「君の膵臓を食べたい」で一躍ブレーク。病弱な役柄のせいか、どこかか弱くはかないイメージが定着していたが、映画「賭ケグルイ」でのギャンブル狂の女子高生役や、新作「屍人荘の殺人」の白目をむく美人名探偵役など個性的なキャラクターで新境地を開拓している。

　コメディエンヌぶりを評価される中で浜辺自身も手応えを感じている。「今年はすごく個性的な役が多かった。評価してくださったからこそ御縁がつながっているのだと思います」。そう振り返る浜辺の顔は自信の笑顔に満ちあふれていた。

　プライベートはどう過ごしているのか。石川から単身上京して１人暮らしをしているだけに、休日は基本インドア。「家でゴロゴロしたり、料理作ったり」とのんびり過ごしつつ、「ジムで体を絞っています」とストイックな一面もある。

　充実のプライベートを送っていると思いきや「寂しい」という言葉がマイブーム。特に自宅にいる時に感じるといい、「高校時代は学業に必死で、寂しいって考えている余裕がなかった。社会人になって余裕が生まれて『この時間暇だな』『何かあればいいのに』と気付いちゃうと寂しいが止まらないんです」。心の穴を埋めるために「猫がほしい」と現在検討中だ。

　今年は映画３本に出演し、主演ドラマも２本。来年はすでに主演映画２本、ドラマ１本を控えている超売れっ子は「女優さんって影響されることが多い。役を通じて私自身にも興味をもってもらえる作品に巡り合いたい」と今後の女優としての目標を語る。バラエティー番組出演にも意欲的で「シナリオがないから大変。素が出るから常に必死なんです。でも番組に出てる方たちのように私も面白い人になりたい」。何事にも貪欲な１９歳。身長１５６センチの華奢（きゃしゃ）な体には未知なる可能性が秘められている。

　◆浜辺美波（はまべ・みなみ）２０００年８月２９日生まれ。石川県出身。１１年に「第７回東宝シンデレラオーディション」でニュージェネレーション賞に輝き、同年の映画「アリと恋文」で女優デビュー。１７年に出演した映画「君の膵臓を食べたい」の病気を患う主人公役でブレークし、第４１回日本アカデミー賞新人俳優賞を獲得。映画「賭ケグルイ」ではギャンブル狂の主人公を演じるなど幅広い演技力を持つ。