新幹線が…街が…沈んだ “最恐台風”日本に爪痕

 千曲川(左)の決壊により浸水した長野市穂保(共同通信社ヘリから)
 水に漬かった車両基地に並ぶ新幹線=長野市赤沼(共同通信社ヘリから)
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 台風19号の通過に伴う猛烈な雨の影響で、東京の多摩川や長野県の千曲川など各地の河川で氾濫・増水が相次いだ。土砂災害が起き、共同通信の集計で11県で33人が死亡、19人が行方不明となった。負傷者も多数に上った。自治体から災害派遣要請が相次いだ自衛隊は約2万7000人態勢で活動した。長野では、北陸新幹線の車両が水没。計画運休などが長引けば、経済活動に大きな打撃になる可能性もある。内閣府は被災した12都県の308市区町村に災害救助法が適用されたと発表した。

 長野市では、千曲川の堤防が約70メートルにわたり決壊し、住宅地で大規模な洪水が発生。JR東日本の「長野新幹線車両センター」が水没し、北陸新幹線の車両10編成が水につかった。社員はセンターの安全な場所や近くの避難所におり、けが人の情報はない。地区一帯が浸水しており、詳しい状況が確認できるめどが立たないという。

 JR東日本によると、北陸新幹線は通常、計30編成で運用しており、3分の1が被害を受けたことになる。

 同センターはJR長野駅の北東約10キロの新幹線の沿線にある。水没の影響で北陸新幹線の「かがやき」と「はくたか」は13日は終日運休。金沢-富山間の「つるぎ」は通常運転した。

 千曲川では長野県上田市でも堤防決壊の可能性があるほか、下流となる新潟県の信濃川も氾濫。栃木県佐野市では秋山川が決壊し、宮城県丸森町などでも川が氾濫した。埼玉県川越市でも大規模に浸水した。

 東京湾では、停泊中だったパナマ船籍貨物船の自動識別装置(AIS)の信号が消え、沈没を確認。外国籍の乗組員12人のうち6人を救助し、うち中国籍の男性(49)ら計2人の死亡が確認された。

 国土交通省によると、堤防の決壊は21河川の24カ所に上り、今後さらに増える可能性もある。土石流や崖崩れなどの土砂災害は13日午後4時半現在、青森、秋田、岩手、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、静岡、石川、三重の15都県で計56件と明らかにした。

 長野、茨城、福島各県では川に架かる鉄道の橋が崩壊。東北自動車道や東名高速道路など13路線の15区間で、のり面などが崩落した。菅義偉官房長官は13日の記者会見で停電が37万6000戸、断水が1万4000戸とした。

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