降旗康男監督死去 岡田准一主演「追憶」撮了後にパーキンソン病発症

 高倉健さん主演の「網走番外地」シリーズや「鉄道員(ぽっぽや)」「あ・うん」などを手がけた日本を代表する映画監督、降旗康男さんが20日午前9時44分、肺炎のため亡くなった。84歳。26日、東映が発表した。2016年に遺作となった岡田准一主演「追憶」(17年5月公開)の撮影終了後、しばらくしてパーキンソン病を発症。療養中の今年4月中旬に体調を崩して入院。その後、肺炎を患い、回復しないまま息を引き取った。

 通夜、告別式は、生前の故人の遺志により無宗教で近親者のみで密葬で執り行った。愛飲していた日本酒「久保田 千寿」と愛用のメガネ、愛用の時計を祭壇に供え、大好きだったポルトガルの民族歌謡「ファド」を流したという。

 長野県生まれ。浅間温泉で育った。祖父は衆院議員、父は県会議員を務めた後、逓信大臣に就任した。叔父は住友銀行の副頭取(当時)という家柄だった。

 1957年、東京大学文学部フランス文学部卒業後、東映に入社。63年、作家・村上元三氏の娘で7歳下の典子さんと結婚。66年、「非行少女ヨーコ」で監督デビューした。菅原文太さん主演「現代やくざ」シリーズや高倉さん主演「網走番外地」シリーズなどを手がけた。

 74年に東映を退社し、フリーに。2014年11月に83歳で亡くなった高倉さんとは「ホタル」「あなたへ」「駅 STATION」など20作でタッグを組んだ。高倉さんについて生前、「どんな役を演じても常に人物の中に高倉健がいましたね」と語っていた。

 山口百恵さん主演の「赤い疑惑」から始まった「赤いシリーズ」などテレビドラマも多数手がけた。

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