葵わかな 初ミュージカルで新境地「舞台はエネルギーの発散度が違う」

 女優の葵わかな(20)が、初めてミュージカルに挑戦する「ロミオ&ジュリエット」が23日に開幕する(東京国際フォーラム ホールCで3月10日まで。以降、愛知、大阪で公演)。デイリースポーツはこのほど、トリプルキャストとなるヒロイン・ジュリエット役をひょう依させていた稽古場に潜入。2017年下期のNHK連続テレビ小説「わろてんか」のヒロインが、新境地に挑む横顔を追った。

 朝ドラヒロインが、初の舞台に奮闘中だ。シェイクスピアの名作を近未来に置き換えたミュージカルの再演。取材日は、仮死状態のジュリエットを見て、勘違いしたロミオが後を追うため服毒する有名な霊廟(れいびょう)のシーンの稽古が行われていた。

 目覚めた葵演じるジュリエットが息のないロミオを発見し、天国で再会するためにナイフを胸に突き刺す。刺したときの背中の曲がり具合、倒れながらの足の抜き方…。簡単な動作のようで、いざやってみると自然に見せるのは難しい。バランスボールに座った演出の小池修一郎氏(63)が「背中は反って。その方が刺しているように見える」などと声を飛ばしていく。

 映像作品との勝手の違いに、葵は「舞台はエネルギーの発散度が違うので、自分ではすごく表現しているつもりでも(録画した稽古動画を見返すと)意外に何を想ってやってるのか分からないなぁ、と思ったり。小池先生には『映像の場合は枠の中で成立するエネルギーを出しているから、エネルギーの差がすごく気になる』と言われました」と表情を引き締めた。

 葵と同じ役の乃木坂46・生田絵梨花(22)、ミュージカル界屈指の歌唱力を誇る木下晴香(20)は前回に続いての出演で、稽古場では3人で意見を交わす“ジュリエット会議”がよく開かれる。

 「自分と同じ役の人が複数いるのも初めて。それぞれが頑張る感じかと思ったら『あのシーンはどうやってる?』とか結構、相談し合ってます」。ファミレスで女子会を開くこともあるという。

 実は2010年から「歌うのがストレス発散方法だったんです」と“趣味”で月1、2回、1~2時間のボイストレーニングを行っていた。朝ドラの撮影中も帰京した際には気晴らしにレッスンを受けていたほど。昨年9月のオーディションに向けて数を増やすなど本格化させ、大役をつかんだ。

 約6時間の稽古を終え「よく小池先生がおっしゃるのは『映像はカメラがクローズアップしてくれるけど、舞台は自分でクローズアップしなきゃいけない』。そうだな、と思いつつ、まだできないんですが、舞台は本番が始まっても試行錯誤していくみたいで、どこに正解があるのか、そこも謎で。千秋楽まで模索しながら、っていうのも初めての感覚ですね」と、未知の航海を楽しむように目尻を下げた。いざ、23日から幕が開く。

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