１６日に急性心不全のために亡くなった歌手の西城秀樹（本名木本龍雄＝きもと・たつお）さん（享年６３）の葬儀・告別式が２６日、東京・青山葬儀所で営まれた。郷ひろみ（６２）、野口五郎（６２）ら仕事仲間や関係者、ファン合わせて１万人以上が参列。献花するファンの列は約１キロにまで伸びた。出棺時にはファン、関係者が一体となって代表曲「ＹＯＵＮＧ　ＭＡＮ（Ｙ．Ｍ．Ｃ．Ａ．）」の大合唱で、天国へと送り出した。

　新御三家の残された２人が、西城さんに最後の言葉を送った。

　最初に遺影の前に立ったのは野口だった。「君は特別な存在だった。兄でもあり、弟でもあり、親友でもあり、ライバルでもあった」。お互い独身時代が長く、よくゴルフに一緒に行った。

　西城さんが車で迎えに来て、野口がおにぎりを用意した。「『夫婦か？』って言い合って。僕が『ヒデキ、結婚するから』と言ったときの驚いた顔は忘れない」。互いの第１子は女の子で誕生日も６月３日と５日の２日違い。初節句やひな祭りを一緒に祝い、３年前の西城さんの還暦コンサートではサプライズでケーキを贈った。

　「ヒデキは決してアクション歌手ではないし、本物のラブソングを届ける歌手だっていうことを僕は知っている。お前の思うラブソングを天国で極めてくれ」。涙ながらに呼びかけ「泣いてばかりなんですよね」と死を嘆いた。弔辞を書いた手紙はひつぎに入れたという。

　郷は、２７日に始まる全国ツアーのリハーサル時間を大幅にずらし、駆けつけた。手紙は手にせず、真っすぐ遺影に語りかけた。

　デビューの順に野口が長男、西城さんが次男、郷が三男と兄弟のような関係を築き「僕はヒデキのことを兄貴と思っていました。その思いは今でも変わっていません。これからもヒデキの背中を見て、心の中でそう思って、ずっと歌い続けていきたいと思っています」。涙をこらえ、天国の“兄”に誓った。