初体験の一発録り…新作「FUNTIME」 杏里インタビュー【4】
来年、デビュー40周年を迎える歌手の杏里(56)が7日、神戸市のデイリースポーツを訪れ、「CAT’S EYE」「悲しみがとまらない」「SUMMER CANDLES」といった多くの大ヒット曲を生んだキャリアや、初のスタジオライブアルバム「FUNTIME」、40周年への思いなどを語った。
第4回では、今年7月にリリースした「FUNTIME」の制作秘話が明かされる。
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-「FUNTIME」はスタジオライブ形式で、一発録音だったとうかがいました。
「もうやっちゃおうって。
今回ライブハウスツアーを(開催した)。(ライブハウス回りをしていた)チキンジョージのあの時代って、すごく心に残っている。その後(曲が)ヒットしてしまって、後悔してはいないんですけど、大きいところでばかりライブをやっていたので、ライブの原点に戻らなきゃいけないかなと。そこにも行きながらホールでもやるっていう、色んな形式のライブを企画しながらやるのもいいかなって思って。
ちょうど10年くらい前ですか、ライブハウスが不景気になって、たくさんなくなっていったんですね。それはちょっといけないと思って。ぜひビルボード(ライブ)でやらせていただきたいとお話をさせていただいて、OKが出まして、それからライブハウスでツアーをやるようになったんですけど。自分の中ではライブハウスでのライブっていうのは、忘れてはいけないものを戻してくれる新鮮な、すごく大事な場所なんですよね。
長年、大きな会場でホントにたくさん一緒に回った仲間を今年、集めまして、ツアーでやっていた時代のアレンジでライブをやろうということでビルボードにみんな誘いまして。やっているうちにレコードに-CDに残したいなってなったんですね。レコード会社の社長がCDに残そう、この音を、一発録りやっちゃおうと。トータルで10公演くらいやるので、十分消化してるので、旅が終わった後にはみんないいセッションができるのじゃないかと。
(ライブハウスツアー終了から)1週間もたたないうちに、1日で全員ブースに入ってそのまんま全曲レコーディングさせていただいて。すごく新鮮でした。デビューして初めてだったんですね、一発録りが。いい意味の緊張感があって、すごくエンジョイできて。笑いの絶えない、良き仲間たちなんでね。レコーディングしている最中も、レコーディングをしているというよりセッションを楽しんでいるという感覚でしたね。
80年代からずっとやっていた小倉(泰治)くん(キーボード)、ケニー・モスリー(ドラムス)、吉田サトシさん-ギタリストだけ唯一ちょっと違うんですけど。ベース、小松秀行。斎藤ノヴさんがパーカッション。私が初めてプロデュースしたアルバムから参加してくれているので。その前から斎藤さんは大御所というか、スタジオミュージシャンとしては一線でやってた方なんで参加していただいて。コーラスはゲイリー・アトキンズに、10年ぶりぐらいにお声をかけて参加してもらったんですけど。あとはアーギー(・ファイン・マーティン)。
ベストバリューズっていうハッシュタグをつけて、名前をつけて。このグループで、また来年もやるんですけど。今年のコンセプトは、さんざんみんなで一緒にやってきた楽曲たちをやろうということで選曲したんですけど、来年はまたちょっと違う形で、なんか面白い企画をまた考えようかと。
コンサートホールでやる曲とライブハウスでやる曲はちょっと分ける。オリジナルの曲もやるんですけど、どちらかというと影響された洋楽だったり、自分も楽しめて、オーディエンスの方々も一緒に楽しめるというか、懐かしさを共有できるような、そういうコンセプトには-構成と申しますか-なってますね。来年もそういうライブにしたいなと思ってるんですけど。レコーディングはまた違う企画のを考えているんですけど、ライブはまた面白いものにしたいな」
-アイズレー・ブラザーズの「ビトウィーン・ザ・シーツ」とアトランティック・スターの「シークレット・ラヴァーズ」をカバーしています。
「実はネイザン・イースト(ベーシスト)が東京のビルボードに来た時に『ビトウィーン・ザ・シーツ』をちょっと歌わないかというお誘いがあって歌ったんですけど、自分の中で消化できてなかったんですよね。リベンジじゃないけど、ちょっとうまく歌えなかったんで、自分のビルボードライブでライブをやるときはちょっと歌ってみようかということで、レコーディングにまでたどり着いたっていう。
『オリビアを聴きながら』『悲しみがとまらない』とか、いわゆる鉄板曲的なものはもちろん入ってはいますけど、自分が影響された洋楽だったりとか、コンサート、オリジナルのライブでは歌えない曲をライブハウスで歌いたいな」
