葉加瀬太郎の後輩・竜馬、語る【後】初フルマラソン挑戦、東京五輪で演奏したい

 「情熱大陸」のテーマ曲で知られるバイオリニスト・葉加瀬太郎の後輩で、竜馬(バイオリン)、雅勝(三味線)、翠(篠笛)、仁(鼓)の4人からなる和洋混成のインストゥルメンタルバンド「竜馬四重奏」が今月25日、メジャーでのセカンドアルバム「SAMURIZE」をリリースし、翌26日からは初の全国ツアーを開催する。

 ただでさえ多忙な中、バイオリンの竜馬は11月12日、「おかやまマラソン2017」でフルマラソンに初めて挑む。無謀ともいえる挑戦に臨む竜馬が語った新作とツアー、先輩・葉加瀬、初マラソン、そして2020年の東京五輪への思いを、3回に分けてお届けする。今回は後編。

  ◇  ◇

 -大都市を回るツアーの中に岡山が。

 「僕は11月12日のおかやまマラソンでのフルマラソンに挑戦していて、それをリポートして応援していただくコーナーが岡山のラジオ番組にできまして。色んな方に応援していただいているので、その後にライブをやっている姿も見ていただこうということで」

 -なぜバイオリニストがマラソンを。

 「幼少の頃から野球をずっとやっていまして、スポーツが好きで、高校進学の時に野球の道に進むか音楽の学校に行くかで進路を悩んだんです。『今でも身体を動かすことが好きで、スポーツやってるんです』なんて話を、前回のアルバムのキャンペーンでFM岡山さんの名物DJである牛嶋(俊明)さんの番組に出演した時に、『僕もスポーツをやってるんです、牛嶋さん走るらしいですね』ってさらっとしたら、『あ、来年竜馬くん走る?フルマラソン』みたいな話になって。『あ、いいっすね』なんて軽く答えたのが、そのまま本決まりしてしまって。

 フルマラソンなんて走ったこともなければ、どちらかといえば長距離は苦手で20キロも走ったことないんですけど、その時にお約束したのでやるしかないって感じで、一生懸命トレーニングしています。ライブがソロと竜馬四重奏と年間160本ぐらいあって、それ以外にもいろいろ(仕事が)あるのでなかなか時間がとれないな、なんて思っていたんですけど、意外ととれますね。朝頑張ってやるとか、夜中帰ってきてから走るとか。走るのも3時間4時間じゃないので、(1日で)1時間とか。8~10キロぐらいです。とにかく不安なんで、走ったことがないから」

 -ツアー中にマラソンの本番が来ます。

 「実は竜馬四重奏以外のライブも前後にあって、13日に福岡でライブがあったりとか、けっこうムチャクチャなんですけど。今、トレーニングを過剰にやり過ぎて足と腰を痛めてて。全然今走れなくて、若干歩くのもつらいくらいなんで、ちょっとまずいなと思ってるんですけど」

 -目標タイムは。

 「5時間以内って考えてます。単純計算で時速8・5キロくらいで走り続けてだいたい5時間なんです。6時間以内に走らなきゃいけないっていう時間制限があるので、それは超えていかなきゃならない。5時間半ぐらいで設定すると何があるかわからないので、5時間で走りきれるように設定しています。1回目なので自分のことも全然わからないので、それぐらいの目標タイムでいきたい。

 やっていくうちに少しずつ見えてくるんですよね。これぐらいだとこういうふうに足痛めるなとか、これちょっとつらいなとか、こういうふうに筋肉ついてくるんだ、少し楽になるなとか。やってみた人しかわからない。足を痛める前までは8~10キロくらいまではだいぶ楽になっていました。焦らなければ全然(大丈夫)」

 -マラソンは音楽にいい影響を及ぼしそうですか。

 「僕は常々ライブも体力勝負だと思っていて、パフォーマンスが体力のアレで後半、落ちてくるのは絶対あってはいけないことだと思っていまして。1日2公演(の場合)もあるんで、最低限の体力作りは今までもやっていたんです。

 フルマラソンとなると、体力作りという域を超えたまだ見ぬ世界、行ったことのない境地に入ってくるわけなんですけど、日頃のトレーニングで体も絞れてきますし、体のキレもすごく上がってきて、パフォーマンスにいい影響を与えている状況になるのと、不思議とすごくプラス思考、前向きになってやる気が満ちるんです。今までつらいなとか面倒くさいなと思っていたのが、やったろうみたいな気持ちに不思議となっていく。痛めているところ以外はすごくいいですね。音楽だけじゃなく人生においてもすごくプラスなことだと思うので。自分に自信がついてくるっていう感じですかね。

 この前もラスト20分、スピードを上げたのでホントきつかったんですけど、誰も見てないからやめることもできるんです。でも後悔するのも僕だし42・195キロ走るのも僕だから、ここであきらめたらホントにつらいのはお前だぞっていうのをずっと言い続けながら走って、やりきった時の達成感と自信が自分を前向きにさせて、やる気にさせてるんじゃないかなというふうに思うので、やり続けるのはすごく意味のあること。

 一見、バイオリンとマラソンとかバイオリンと野球とか全然違うもので、別にバイオリニストがやらなきゃいいでしょうとかやるべきじゃないという意見もあると思うんですけど、バイオリニストだからこそこういうことを経験すること、人としての経験値を上げることがすごく大切なことだと思う。色んなことにどんどん常に挑戦していくのが大切だって気付かされました」

 -最大の目標は。

 「世界中を回って活動していきたい。日本の伝統、文化、魂を世界に発信していくというのをテーマに2008年からやってきたので、それを達成することが最大の目標で、その通過点として、2020年の東京オリンピック開会式で演奏するような、日本を代表するようなバンドになっていく。世界の竜馬四重奏になるための活動をこの数年で一気に頑張ってやっていくという思いです。人生の中で、自分が生きている国、街で開催されるオリンピックはたぶん一生に一度あるかないかだと思う。それがこのタイミングで開催されるということに、必ず関わっていきたいし、もともと自分たちが掲げていた、日本を代表するような、世界で活躍するバンドになるという思いはオリンピック選手とも一緒だと思うし、日の丸を背負ってやるようなバンドというところは憧れでもあり目標にもなっているので、すごく意識していますね」

  ◇  ◇

 【補記】竜馬は今月2日に「朝から足がつけないほどの激痛で、それをかばうように生きているため腰から下は酷い有様」、4日には「左足の足底筋膜炎と診断されました。それをかばうように、右足と腰を痛めており、絶対安静と」とツイート。17日には「テーピングしていただいたので、久々に20分・20分ぐらい歩いたよ~」と、徐々に回復に向かっていることを明かしている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス