「情熱大陸」のテーマ曲で知られるバイオリニスト・葉加瀬太郎の後輩で、竜馬（バイオリン）、雅勝（三味線）、翠（篠笛）、仁（鼓）の４人からなる和洋混成のインストゥルメンタルバンド「竜馬四重奏」が今月２５日、メジャーでのセカンドアルバム「ＳＡＭＵＲＩＺＥ」をリリースし、翌２６日からは初の全国ツアーを開催する。

　ただでさえ多忙な中、バイオリンの竜馬は１１月１２日、「おかやまマラソン２０１７」でフルマラソンに初めて挑む。無謀ともいえる挑戦に臨む竜馬が語った新作とツアー、先輩・葉加瀬、初マラソン、そして２０２０年の東京五輪への思いを、３回に分けてお届けする。今回は中編。

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　－バイオリンを始めたきっかけは。

　「母がピアノをやっていたんですけど、音大時代に自分の楽器を持ち歩いている人たちをすごくうらやましく思って、特にバイオリンの音色が好きだったので、子供ができたらバイオリンをやらせようと決めていたみたいなんです。５歳の時に地元の教室に入ってみないか、バイオリンやってみないかって言われて、何も分からないままスタートしました。

　最初に面白くなったのが小学校５年生くらいです。『耳をすませば』っていう映画で（主人公の相手役の）天沢聖司くんが『カントリー・ロード』を弾くのがかっこいいってなって、女の子たちに弾いてって言われて。学校にバイオリンを持っていってそれを弾いたらきゃあきゃあ言われて楽しくなって。

　はやりの音楽に乗っけて、体の一部になり始めたのが小学校の終わりから中学生くらいです。はやりの音楽が好きで、シングルＣＤを買いあさっては聴いて、そこにバイオリンを合わせてみたいなことに興味はありました。そんな矢先、葉加瀬太郎さんのグループ『クライズラー＆カンパニー』のＣＤを母が買ってきて、クラシック以外にバイオリンってやっていいんだって認識したような。

　本当にポップスに行きたいと思ったのは高校１年生の時でした。音楽学校に入って最初の学内演奏会でやることになった曲が『ニュー・シネマ・パラダイス』で、こんなきれいな音楽がこの世にあるのか、僕はこういう音楽を毎日演奏していくバイオリニストになりたいと思って、そこからポップスの世界に興味を持つようになって。毎日のように学校でも演奏していたら突然スカウトが来て、２０歳の時にスタジオミュージシャンからスタートして、映画やドラマの音楽の演奏をしていくようになるんです」

　－今は葉加瀬さんと同じ事務所（葉加瀬は業務提携）に所属。

　「今は一緒になれて（葉加瀬に）そんなお話もしたことがあるんですけどね。（契約は）３年ぐらい前になりますかね。興奮しましたね。小学校５年生の時に衝撃を受けて、家族ぐるみでファンになってツアーを追いかけていた時代があるので。（その後も）ずっと上に存在としてあって」

　－きっかけは。

　「実は松崎しげるさんからスカウトを受けたんです。『ウチの事務所おいでよ、葉加瀬もいるし』って言われて『ええ！？マジですか！？葉加瀬さんいらっしゃるんですか！？』って。入らせていただいた時は、同じ土俵とまではいかないけど少し近づけたのかもなって実感しました」

　－葉加瀬さんに初めて会った時の印象は。

　「僕は尊敬する人とか目指す人を設けないでここまで来たんです。なぜかというと、その人を超えられなくなると思ったんです。僕は僕でいなきゃいけないし、誰かと比べるのではなく自分を高めていく意識があったので。葉加瀬さんはとてもすばらしいバイオリニストで、絶対に影響を受けた方だし、大尊敬しているんですけど、いつか葉加瀬さんに認められるバイオリニストにならなきゃいけない。竜馬は竜馬、俺は俺って葉加瀬さんに思ってもらえるような。一緒に頑張っていこうね、この業界を切り開いていこうね、みんなに笑顔を作っていこうねって言われるような存在にならなきゃいけないって、お会いした時に改めて思いました。感動と共に、絶対にやってやるぞっていう気持ちになりました」

　－松崎さんにスカウトされたのは。

　「お世話になっている方に－昔から松崎さんとご一緒する機会が多かった方です－いつか紹介したいと言われていて、お食事させていただく機会をいただきまして。バイオリンを持っていって、演奏させてもらいないよなんて紹介してくださった方がお話しして、じゃあ３０秒ぐらいって即興で演奏させていただいたら、松崎さんに『明日からウチの事務所においでよ』って言われて。その半年後ぐらいに、正式に所属という形になって入ったんです。その３０秒ぐらいがなければ今はないかもしれないな」