金沢志奈 メジャーで決めた!涙の初V ツアー本格参戦7季目30歳 PO制した地元で晴れ姿

 ホールアウト後、申ジエ(左)から祝福され涙を見せる金沢志奈
 優勝を決めガッツポーズを見せる金沢志奈
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 「女子ゴルフ・ソニー日本女子プロ選手権・最終日」(14日、大洗GC=パー72)

 ツアー本格参戦7季目の金沢志奈(30)=クレスコ=が、念願の初優勝をメジャー戦で飾った。首位と1打差の3位から出て71で回り、通算10アンダーで並んだ桑木志帆(22)=大和ハウス工業=とのプレーオフに突入。最初のホールで決着をつけ、女子プロ日本一決定戦を制した。

 金沢はプレーオフの18番、ドライバーショットを右ラフに入れた。「どうしよう、どうしよう、と思った」がボール地点に行くと、打ちやすい所にボールがあった。「それで、勝つぞという気持ちになった」。第2打は7番ウッドで積極的に狙った。グリーンを外れたとはいえボールはラフまで転がらず、カラーに止まった。50センチに寄せてパー。勝負を決めた。

 勝てそうで勝てないプロ。金沢にはそんなイメージがついていた。今季は2位と3位が2度ずつ。昨年のリゾートトラスト・レディスは3日目まで首位を走りながら、最終日に崩れた。だが、今は考え方を変えた。「これまでは守りのゴルフで、安全な方を狙っていくタイプだった。でも若い選手、飛ぶ選手が出てきて、これでは通用しないと思い、攻めのスタイルに変えました」。プレーオフの第2打には、そんな思いが詰まっていた。

 「初日から曲げても、(ボールが打ちやすい所に落ちる)ラッキーパワーが結構あった」という。弱気の虫を封印したご褒美は大きかった。苦しんで手にした初優勝が、実家から約30分のコースで、たくさんの知り合いに晴れ姿を見せられたのもラッキーだった。

 もともと小技が得意で「グリーンを外しても、どうってことない」と思っていたが、体が細く、飛距離の出ないタイプだった。そこで、3年前からスクワットやデッドリフトなどの筋トレを始めた。「ショット力が増してバーディーチャンスが増えた。悪い癖が出ても直せるようになった」。お花屋さんになるのが夢だった少女がたくましさを増し、女子プロゴルファー日本一決定戦のトロフィーを掲げた。

 ◇金沢志奈(かなざわ・しな)1995年7月29日生まれ、茨城県笠間市出身。164センチ、53キロ。8歳でゴルフを始める。茨城・岩瀬日大高を経て中央学院大に進学。2015年のユニバーシアードで個人、団体とも銀メダル。16年に日本女子学生選手権優勝。大学を中退後に受けた17年のプロテストに合格し、同年9月に下部ツアー優勝。20~21年シーズンに初シードを獲得。

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