柏原明日架 復活V!6年ぶり3勝目 ノーボギー68 家族の前で涙「父が来て初めて優勝を見せられた」
「女子ゴルフ・NEC軽井沢72・最終日」(17日、軽井沢72=パー72)
首位から出た柏原明日架(29)=富士通=が4バーディーの68で回り、通算14アンダーで2019年10月のマスターズGCレディース以来、6年ぶりのツアー3勝目を挙げた。トップタイからスタートしたツアー新人の寺岡沙弥香が1打差の2位となった。通算11アンダーの3位は金沢志奈とペ・ソンウ(韓国)。
6年ぶりに勝利を挙げると、涙があふれ出た。柏原はウイニングパットを沈めると、静かに左手を上げ、見守った父親と抱き合い、瞳を潤ませた。「父が来て初めて優勝を見せられた。長かった。6年以上たっているような気持ち」。2019年以来の頂点。ひと言ひと言に実感がこもっていた。
ツアー新人・寺岡との優勝争いを制した。パー3の8番は12メートルのチップインバーディー。3メートル前後のパーパットを決めるなどしぶとく耐え、15番で5メートル、16番では4メートルのパットを決め首位に立った。「パットが決まってくれたのが一番大きかった」。寺岡を捉えて抜き去り、この日は最後までボギーなしで逃げ切った。父への思いを背負った29歳は強かった。
プロ初勝利を含む2勝を挙げた2019年は、賞金ランキング11位と絶頂だった。以降はシード落ちも経験。私的スキャンダルが報道されたこともあった。「これ以上、はい上がっていけないのではないかと思った時期もあった」と語る。自身を省みながら「考えを改めるきっかけだと思って、前を向くしかない」とも振り返った。成績を落とし、父と二人三脚で進めてきた環境を変え、森守洋コーチの指導を仰ぐことを決めた。
富士通所属で、次の目標は毎年秋に開催される富士通レディース(10月17~19日、千葉)で優勝すること。7月の大東建託・いい部屋ネットレディースで、大東建託に所属する渡辺彩香が優勝したことに刺激を受けたようで「めちゃくちゃかっこよかった」と瞳を輝かせた。
「一つ目の目標をクリアできたので、4、5勝目を目指していきたい」。来年1月で30歳。20代最後のシーズンで復活した女王は、これからも若手の壁であり続ける。
◇柏原明日架(かしわばら・あすか)1996年1月30日、宮崎市出身。7歳でゴルフを始め、日章学園高に進学した。2014年7月にプロテストに合格。2019年のミヤギテレビ杯ダンロップ女子でツアー初優勝を果たし、同年10月のマスターズGCレディースで2勝目を挙げた。ツアー通算3勝。今季、3シーズンぶりのシード権を獲得した。171センチ、63キロ。



