千葉百音 GP連勝でファイナル進出 SP2位から逆転「やったー」 自身初のGPシリーズ総合トップ
「フィギュアスケート・フィンランディア杯」(22日、ヘルシンキ)
女子はSP2位の千葉百音(20)=木下グループ=がフリー1位の合計217・22点でGP2連勝を果たし、ミラノ・コルティナ五輪の代表選考で重要な位置付けとなるGPファイナル(12月4~6日・名古屋)に進出した。男子はSP3位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)がフリーはトップの合計270・45点で逆転優勝し、GP2連勝、通算8勝目でファイナルの切符を得た。男女ともにファイナルの日本勢上位2人は五輪代表選考の対象となる。ペアの長岡柚奈、森口澄士組(木下アカデミー)は自己最高に並ぶ4位。
演技を終えた千葉は絶叫しながら右拳を振り、5度も両手を突き上げた。確かな手応えを得て、最終滑走のグレンを待つ。逆転優勝が決まると「やったー」と声を上げた。完成度の高い滑りで自身初のGPシリーズ総合トップ。五輪のメダル候補に名乗りを上げた。
ステップとスピンは全て最高難度のレベル4。「ロミオとジュリエット」で「しっかり感情を表現できた」と悲恋の物語をはかなげに舞った。演技点トップで、合計得点は自己ベストに0・01点差と迫った。
故郷の仙台市を離れ、当時高校生だったが「夢への準備」のため京都に移ったのは2年前の春。読書を重ね、自己啓発本の「目標や夢を、理想のまま終わらせない」との一節を心に刻む。五輪初代表に前進しても、ファイナルで「最高の演技をすることが大事」という。きりっとした表情に断固たる決意がにじんだ。
◆フィギュアスケートのミラノ・コルティナ五輪代表選考 各3枠の男女は最終選考会を兼ねる全日本選手権(12月19~21日・東京)の優勝者が自動的に代表入り。2人目は全日本2、3位やGPファイナルの日本勢上位2人、全日本終了時で国際スケート連盟公認のシーズン最高得点の上位3人から選ぶ。3人目は全日本終了時の世界ランキングや日本スケート連盟独自の国際大会ポイントの上位3人などを選考対象に加える。2枠のペアは全日本1、2位と全日本終了時の世界ランキング、シーズン最高得点の最上位から総合的な判断で選出する。





