41歳誕生日の玉鷲が大の里追い込む、連日の横綱肉薄に大歓声「40代をなめるなよ」大相撲九州場所
「大相撲九州場所・8日目」(16日、福岡国際センター)
幕内最年長で41歳の誕生日を迎えた玉鷲(片男波)が大の里(二所ノ関)に挑み、土俵際まで追い込むもはたき込まれ逆転負け。前日の豊昇龍戦に続き、横綱をあと一歩まで追い込んだ。この日で幕内出場回数が1445回となり、魁皇(現浅香山親方)を上回り歴代単独2位に立った。
自身が持つ昭和以降最年長の金星獲得記録の更新を「最後に取り逃がした」と悔しがった。それでも「あと何センチですか。本当に面白いですね。40歳の最後が横綱で、41歳の最初が横綱。いい記念になりそうです」と充実感いっぱいの表情で語った。
激しい突き押しで相手を慌てさせた豊昇龍戦からさらに前進。右おっつけ左のど輪で前進し、たまらず回り込んだ大の里を追いかけるもはたき込まれ、左足1本で残られた。
この日の朝稽古で、玉正鳳を相手にした立ち合いの稽古とほぼ同じ動き。稽古後は報道陣に「自分には自分の勝負がある」と険しい表情を見せ、言葉少なに闘志を高めていた。その作戦通りに追い込んだ。
朝稽古からは一転、取組後の支度部屋の表情は穏やか。横綱を追い込む姿を見たお客さんの大歓声があったからだという。「自分としては残念だけど、仕事はちゃんとできた。お客さんがいるから自分たちがいる」と口調は明るかった。
今だに体の張りを維持する41歳は「40歳と変わらない。年齢じゃない、心」とキッパリ。来年は旭天鵬(現大島親方)が持つ歴代1位の幕内出場回数1470回を上回ることが控える。「燃えるというよりは楽しむ」と勝負への心構えを掲げた玉鷲。41歳の節目を「黒星だけど心の中はめっちゃ楽しい。40代をなめるなよ」と心に刻んだ。





