闘魂41歳・玉鷲 3敗目も豊昇龍に大健闘「横綱をヒーヒーさせた」 8日目全勝・大の里に挑戦へ

 「大相撲九州場所・7日目」(15日、福岡国際センター)

 平幕の玉鷲が横綱豊昇龍に寄り切られて3敗目を喫したものの、途中で体が離れて約5秒見合う珍しい一幕があった。16日に41歳になる大ベテランは、魁皇に並ぶ史上2位の幕内1444回出場も達成した。豊昇龍は5勝目。ただ一人全勝の横綱大の里は宇良を上手ひねりで退けた。大関琴桜は若元春の上手投げに屈し、5敗目を喫した。大の里を1差で追うのは安青錦と平幕の義ノ富士、藤ノ川の3人。

 豊昇龍との約25秒もの熱戦を終え、大健闘の玉鷲の表情はすがすがしかった。「負けたけど横綱をヒーヒーさせたので良かった」。滝のような汗が流れる顔と体は、16日に41歳になるベテランと思えないほど若々しい。

 気迫あふれる立ち合いでぐらつかせた。激しい突き、押しの応酬からいなしをこらえ、なおも突っ張る。5秒ほど体が離れて見合うと、先にぶつかった。もろ差しを許して寄りに力尽きたが「必死になって出ようとした。少しでも長く土俵にいたかった」と荒い息づかいで話す。全力を出し切り、拍手喝采を浴びる姿は美しかった。

 幕内出場回数が浅香山親方(元大関魁皇)に並び、史上2位の1444回となった。同親方は「40歳で横綱と対戦できることがすごい。冗談ではなく、45歳まで幕内でやれるかも」と驚く。玉鷲のまげを20年以上も結う片男波部屋の床山も「20代前半の頃から髪の量も質も変わらない」と舌を巻くほどだ。

 年明けの初場所では能代潟を抜き、昭和以降で最高齢幕内力士となることが確実。師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「いつまでも自分の夢や目標を追い続けている」とたたえる。豊昇龍を慌てさせた玉鷲は言った。「それくらい圧力があったのかな。そう思いながら前に進む」。40歳最後の一番には、今までとこれからを支える気力が凝縮されていた。

 41歳の誕生日となる8日目は、全勝街道をひた走る大の里に挑戦。今年の名古屋場所で奪った金星の再現を、虎視眈々と狙っている。

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