大相撲 元稀勢の里が横綱大の里に「僕のマネをしなければ多分大丈夫」自身は短命横綱「自慢できる結果ではなかった」
大相撲の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)=38=は28日、茨城・阿見町の部屋で、第75代横綱に昇進した大の里とともに昇進伝達式に臨んだ。
入門時の師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)、その師匠だった二子山親方(元横綱初代若乃花)と、直系4代で横綱の系譜が続く。親方は「相撲部屋を始めてから一つの目標として掲げてきた。ようやく一つかなったと思うので、またこれから強い弟子を育てていきたい」と意気込んだ。
稀勢の里は新入幕から73場所と史上最も遅い昇進だった。大の里の初土俵から所要13場所、新入幕から所要9場所は、ともに歴代最速の昇進記録だ。
親方は「僕は一番遅く、大の里は一番早く上がった。つい最近大関に上がったばかりですけど、僕の場合は大関に5年いましたから。そこは全然違う」と前置き。その上で「入門してから、しっかり体作りをして、地道にやり続けてきた。つまらないような稽古を部屋の中では一番大の里がやっています。稽古は嘘をつかないというのがハッキリ出た」とたたえた。
親方は「強さももちろん大事ですし、星数も伸ばさないといけないし、優勝争いもしないといけないが、人の見本になるような、憧れを持たれるような力士になってほしい。言動も行動もこれから大事なってくる。自覚を持って、横綱としてやってほしい」と期待を寄せた。
稀勢の里は新横綱として迎えた2017春場所を13勝2敗で優勝も、場所中に負った左大胸筋のけがが深刻で、その後は出場と途中休場を繰り返した。横綱として36勝36敗97休(不戦敗を含む)の勝率5割。在位12場所の短命に終わった。
親方は「僕の横綱時代はとても自慢できる結果ではなかった。その中でもいろいろ経験できたことは、大の里にも伝えられる。自分の経験を少しでも伝えて、僕のマネをしなければ多分大丈夫だと思う」と、笑顔で期待を寄せていた。





