大の里 単独トップ! 琴桜に勝ち、豊昇龍負けで27日にV決定も冷静「浮つきすぎず、目の前のことだけを考えていく」
「大相撲秋場所・13日目」(26日、両国国技館)
横綱大の里は関脇若隆景を寄り切って12勝目を挙げ、1敗で並んでいた横綱豊昇龍が大関琴桜に寄り切られたため、単独トップに立った。14日目に大の里が琴桜に勝ち、豊昇龍が若隆景に敗れれば、2場所ぶり5度目、横綱昇進後では初めてで、今年3度目の優勝が決まる。和製力士で年3度の優勝は、1997年の貴乃花以来となる。新小結安青錦は隆の勝を渡し込んで10勝目。史上初となる新入幕から4場所連続2桁勝利を挙げ、大関とりへの足掛かりをつかんだ。
横綱初の賜杯に王手をかけた。眼前で豊昇龍は敗れても、大の里は「本来なら動揺する自分もいたが、目の前の一番に集中した。さらにしっかり集中して挑むことができた」と落ち着いていた。
もろ手突きから右を差し、下手を取って前に出た。若隆景に上手投げを仕掛けられるも、左で相手の右を抱えて止まらず、寄り切った。左の上手を許したが「頭に入っていた。しっかり対応できた」とうなずいた。
実力者を圧倒し、12勝目。14日目に琴桜に勝ち、結びで豊昇龍が若隆景に敗れれば5度目の優勝が決まる。「普段通りいつも通りやるだけ。浮つきすぎず、目の前のことだけを考えていく」と冷静に語った。
師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「先場所と違って体が張っている。(若隆景の)左上手は強烈だったが、しっかり残せたのは体が動いている証拠」と評価。軽い足取りで「2番勝てば優勝。しっかり集中して、自分の相撲を取ればいい」とにこやかに語った。
年3度の優勝を果たせば、和製力士では貴乃花以来28年ぶり。師匠が初優勝に届かない大関時代、度々助言を贈った“平成の大横綱”を表に出す活躍を見せている。
今場所は安易に引く悪癖が顔を潜め、力強さが増す大の里。状態を「悪くない」と話す表情に自信がみなぎった。千秋楽結びの一番は、豊昇龍と初の横綱対決が控える。優勝がかかる大一番になるのだろうか。





