張本智和がTリーグへ積年の不満吐露「そろそろ限界…おかしなルール」8季目の国内リーグに異例の問題提起「選手苦しめる」
卓球男子日本代表のエースで世界ランク4位の張本智和(22)=トヨタ自動車=が4日、インスタグラムのストーリーズ機能で長文をつづり、8季目が開幕したTリーグの独自ルールを疑問視し、「世界最高峰のリーグを作りたいのに、世界最高峰の選手たちだけに不利なルールでどうするんですか」と問題提起した。
日本初のプロリーグとして8シーズン目が開幕したTリーグでは現在、試合時間短縮化やダイナミックな試合展開を促進するため、各ゲームのジュースの廃止(11-10で終了)、フルゲームの場合は最終ゲームは6-6からスタート、1ゲーム先取のビクトリーマッチなど独自ルールが採用されている。
張本は「WTTとは全く違う、振れば入るようなボールを使うだとか、10-10は1本勝負だとか、最終ゲームは6-6スタートだとか、チームが2-2になって勝敗を決める1番大事な5番を1ゲームで決めるとか、そんなに時間短縮やジャイアントキリングが見たいなら格下はゲームカウント1ー0スタート、格下チームはチームカウント2-2にできれば勝ち、みたいなもっと極端なルールを作ればいいです。その方がこっち(選手)も割り切れます」と、積年の思いを吐露した。
張本は2018年のリーグ創設期から参加し、東京、琉球を経て今季から岡山でプレー。3日の彩たま戦で今季初出場したが、第2試合の曽根翔に1-3で敗れ、チームも0-4で敗戦した。
「Tリーグに専念してる選手だけでなく、WTTを軸にプレーしてる僕たちもみんな生活のために全力でTリーグを戦っています。過去7シーズン、そんなルールにかなり気を張って戦ってきて大体の試合は勝てましたが、それでも勝てる試合を何試合も落としてきました。その度に頑張って切り替えようとしてきましたが、そろそろ限界です。どんなおかしなルールだとしても、負けたら選手は落ち込みます。心の中ではそんなはずはないとわかっていても、負けた事実に落ち込みます」と胸の内を明かし、「海外のトップ選手が『日本に来てこんなルールで負けて、Tリーグにはもう行きたくない』となったらリーグの未来はありません。リーグを見にきてくれるお客さんに本当の卓球の試合をお見せしたいです。お客さんを楽しませることも大切ですが、それと同じくらい選手にも配慮があるリーグであってほしいです。何も無理なお願いをしてるわけではないです。普通の試合がしたいだけです」と、通常ルールでの試合実施を訴えた。
さらに、国際大会を主戦場とする日本代表のエースとして、リーグの在り方についても言及した。「トップ選手に勝つ→ということはWTTでも勝てると思ってWTTに出る→普通の外国選手に負ける→日本に帰ってきてTリーグでまたたまにトップ選手に勝つ→じゃあ別に良いかと思ってWTTで負けたことを忘れる→Tリーグでトップ選手に勝つことで満足して、それ以上の努力をしなくなっている。海外で勝つための努力をしなくなっている。僕たちがしてきたような血の滲むような練習をして海外で勝つ、そしてそこから世界ランキングを上げる。という感覚を今のTリーグルールは潰していると思います。もしかしたらこのTリーグルールが本当に苦しめているのはトップ選手たちではなく、他の選手たちなのかもしれません」と、ガラパゴス的な独自ルールによる弊害を指摘した。
Tリーグを巡っては、国際大会と異なるルールを採用しているにもかかわらず、22-23年シーズン、23-24年シーズンの個人成績がパリ五輪代表選考のポイントとして加算され、物議を醸したこともある。現在、伊藤美誠(スターツ)、戸上隼輔(井村屋グループ)ら参加していない日本代表のトップ選手もいる。





