伊藤美誠まさか 14歳張本美和に完敗で涙「正直疲れすぎてボロボロ」大会過多で苦悩告白

 張本美和に敗れ6位に終わった伊藤美誠(撮影・伊藤笙子)
 ミスでポイントを失い、ラケットを見つめる伊藤美誠(撮影・伊藤笙子)
 張本美和(手前)に苦戦を強いられた伊藤美誠(撮影・伊藤笙子)
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 「卓球・全農カップ・TOP32」(13日、船橋アリーナ)

 24年パリ五輪代表選考会の第3回大会として行われた。女子5位・6位決定戦で、若手成長株の14歳、張本美和(木下アカデミー)が、東京五輪代表のエース伊藤美誠(22)=スターツ=を4-1で破り、2度目の対戦で初の大金星を挙げた。6位となった伊藤は試合後、「正直、精神的にも身体的にも疲労がたまりすぎていた。頭も働きづらいし、体も疲れすぎてついてこなくて、すごくボロボロだった」と涙ながらに振り返った。

 伊藤は準々決勝で平野美宇にストレート負けを喫したのに続き、今大会は明らかに精彩を欠いていた。張本美が打ち込んでくる力強いボールに打ち負ける場面が目立ち、サーブやレシーブでも先手を取ることができなかった。

 相手のボールの質の高さを認めた上で、「頭で思っていることを体ができていない。(張本の)質の高いボールを受けていると感じた。自分が間に合う(レベルの)質だと対応できていたが、『この人、質が高いな』と思っている選手に対しては対応し切れない場面がすごくあった」と首をかしげ、「自分じゃないみたい、体が(笑)」と自嘲した。

 1カ月の海外遠征で世界選手権団体戦などビッグイベント3大会に出場後、1日夜に帰国してから約1週間しか準備期間がなかった。「試合が多いことはいいことだが、正直自分に負担が掛かりすぎていて、もう少し海外と国内選考会に(それぞれ)集中したい気持ちはすごくあるが、ここを乗り切っていかないといけない」と苦悩を告白した。

 パリ五輪に向けて、日本協会は断続的に国内代表選考会(年3回)を実施しており、その合間には国際大会や、伊藤が初参戦しているTリーグの試合もある。

 東京五輪までは、中長期的な強化練習で実力を磨いてきただけに、試合に合わせた調整練習しかできない現状がもどかしい。「試合をやりすぎているので、いったん休憩したい。休憩したいというより練習したい。みんなも同じなので言い訳できないが、もう少し国内選考会の前は選考会に集中してやりたい。でも慣れていかないといけない。来年は国際大会が増えるので、どうやってやっていこうか考えていく」と涙を拭いていた。

 ◆大会前時点での選考ポイントランキング上位

 【女子】早田ひな=117点、伊藤美誠=88点、長崎美柚=86点、石川佳純=76点、木原美悠=70点、平野美宇=56点、芝田沙季=54点、橋本帆乃香=50点

 ※全農カップは優勝=50点、2位=45点、3位=40点、4位=35点、5位=30点、6位=25点、7位=20点、8位=15点、ベスト16=10点

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