柔道男子６６キロ級で五輪２連覇の阿部一二三（２７）＝パーク２４＝が６日、都内で取材に応じ、全日本選抜体重別選手権（４月５～６日、福岡国際センター）での実戦復帰と、体重無差別で争う全日本選手権（２９日、日本武道館）への初出場を明言した。

　２連覇を達成したパリ五輪後は、「休むと戻るときにしんどい」と長期休暇は取らず約１カ月後から体を動かし始め、昨年末から本格的な稽古を再開した。選抜体重別は世界選手権（６月、ブダペスト）の代表選考も兼ねており、その３週間後全日本選手権と、ハードなスケジュールを消化していくことになる。

　重量級の実力者と手を合わせることでけがのリスクもつきまとうが、「柔道家として１度は立ってみたい舞台。出場は最初で最後」と、２８年ロサンゼルス五輪まで約３年半の猶予がある２０２５年だからこその挑戦。「優勝とは言えない」と笑いつつも、「６６キロ級以下では２勝したのが最高（成績）だと思う。一番多い勝ち数を目指したい」と野心をのぞかせた。

　また３連覇を目指す五輪にも言及した。１９９７年生まれの阿部は、３０歳で大会を迎えることになるが、「気持ちの作り方、疲労の抜け方、体重の落ち具合は（年齢を重ねて）変わってくると思う。そういう意味では休んでいる暇なないのかな。引退したら休める。柔道は今しかできない。３年間かけて作り上げていきたい」。３連覇を狙う五輪王者に余念はない。