宇野昌磨 現役引退会見で“宇野節”さくれつ「彼はよくやったなと僕は思う」 競技人生に「未練は全くない」

 フィギュアスケート男子で五輪2大会連続メダリストの宇野昌磨(26)=トヨタ自動車=が14日、都内で現役引退会見を行った。9日に自身のSNSで現役引退を発表し、会見ではプロ転向を表明。「次に向かって、またスケートを全力で頑張ります」と前向きに意気込んだ。終始明るく、ユーモアにあふれた“宇野劇場”を繰り広げながら、競技会を離れる決断に至った経緯を説明した。

 和やかな45分間だった。黒いスーツでビシッと決めた宇野は、のびのびと自由なトークを繰り広げた。「今日まで応援してくださった皆さん、とても感謝しています」と笑顔であいさつ。「今後もスケートをプロとして続けていく。悲しいより前向きな気持ち」と明るく表明した。

 制限が設けられた中、約130人の報道陣と約20台のカメラが集結。オンラインでは、約1万人のファンが見守った。華麗な経歴が紹介されると「彼はよくやったなと僕は思ってます」と、独特の“宇野節”がさくれつ。「(趣味の)ゲームに費やす時間も増えるかな」と話すなど、終始晴れやかで楽しげだった。

 決断の裏側も明かされた。現役引退を意識し始めたのは2年前。長年競ってきた五輪2連覇王者の羽生結弦さん、22年北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)が競技会から姿を消した中、22年世界選手権を初制覇した。「すごく寂しい気持ちと取り残されてしまったというところがあった」-。

 それからは「引退する姿がなかなか想像できない中で全力で取り組んできた」と話したが、昨年末に全日本選手権を優勝して思いが固まった。ステファン・ランビエルコーチに「次の大会(世界選手権)で現役を引退しようと思う」と伝え、最後の競技会に向かった。

 競技人生に「未練は全くない」と言い切り、今後は「心から踊るようなスケートをしていきたい」と、磨いてきた表現力をさらに追求していくという。一時代を築いたアーティストとして、これからも銀盤で新たな世界を魅せていく。

 ◆宇野昌磨(うの・しょうま)1997年12月17日、名古屋市出身。5歳の時、リンクで浅田真央さんに声をかけられてスケートを始めた。五輪の個人では18年平昌大会で銀、22年北京大会は銅、団体では北京で銀メダルを獲得。昨季はGPファイナルを初めて制覇し、世界選手権では2連覇を果たした。趣味はゲームで、プロゲーマーも認める腕前。158センチ、55キロ。

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