涙の渡辺雄太に河村から渡された“ウイニングボール” まさかの「ぶんどられました」(渡辺) カボベルデ“強奪”に苦笑い
沖縄などで開催されているバスケットボール男子のW杯で、アジア最上位となる19位となり、1976年モントリオール五輪以来48年ぶりとなる自力での五輪出場を決めた男子日本代表が3日、沖縄市役所で報告会見を行った。
黒いTシャツ姿で登場した監督と12人の選手達たち。直前に負った右足首の怪我を抱えながら奮闘した渡辺雄太は「僕は(NBAの)ルール上、28日前からしか合流できなかったが、選手たちはBリーグもあり大変な中、ウインドウを戦ってくれた。そのおかげで今、僕はここにいる。このチームメイトにすごく感謝しています」と振り返った。
試合終了の瞬間に、ボールを持っていた河村は今大会に代表引退を懸けていた渡辺雄太に“ウイニングボール”を渡し、その後、渡辺は大事そうに抱えていたが、その後、思わぬ事態が。「僕が泣いてる時に河村が持ってきてくれたんですけど、あのボールは相手チームのコーチなのか、スタッフなのかにぶんどられまして。あのボールはどこにいったか分からない。その後、別のボールをもらったが、河村が僕にくれたボールはとられました。カボベルデのコーチ?監督?監督が“俺のだ”みたいな感じで。彼らも初出場だったので欲しかったんだと思う」と、初出場のカボベルデチームに“強奪”されたことを笑いながら明かした。記念ボールについては「今は部屋に飾っている。この後、みんなにサインをもらおうと思う」と語り、「彼(河村)がボールを渡しにきてくれた映像を後でみて、なんて素晴らしい人間なんだと。まだ22歳ですけど、先輩に気をつかってくれる後輩がいて、チームメイトとして頼もしかった。彼と一緒にプレーができて、いい刺激になった」と、河村への思いを語った。
河村は「雄太さんがこの代表に始まってから引退の発言だったり、それだけじゃなくて代表に懸ける思いを聞いていたので。トムさんが始める前から代表を引っ張ってきてくれた雄太さんには決まる瞬間のボールをもってほしいと思っていた」と、渡した際の思いを語った。
世界ランク36位の日本は今大会1次リーグで同24位の格上フィンランドを撃破。2次リーグ進出は逃したが、17~32位決定リーグで同17位のベネズエラ、同64位のカボベルデに連勝し、今大会通算3勝2敗で終えた。自国開催だった21年東京五輪に続く2大会連続8度目の出場となる。





