体操女子で東京五輪代表の平岩優奈（２４）が１４日、自身のＹｏｕＴｕｂｅチャンネルに動画を投稿し、現役引退を発表した。

　時折涙ぐみながら「こんにちは。平岩優奈です。今日は皆さんにご報告があります。突然とはなりますが、私、平岩優奈は体操競技を引退いたしました。理由は体操人生においての目標であるオリンピックや世界選手権出場できたので、その点においては夢を叶えられてよかったのですが、その後のモチベーションの維持が難しくなってしまったため、引退することを決めました。正直、楽しいことよりつらいことの方が多かったけど、五輪の年は楽しんで演技できていたなと思います」と、語った。

　東京五輪は数々の苦難を乗り越えてつかんだ夢舞台だった。１５歳だった１４年全日本選手権は３位に入り、同年の中国・南寧での世界選手権代表に選出された。引退した田中理恵さんが「今、日本で一番きれいな体操をする」と評した逸材だったが、大会前に現地練習で右手骨折し、欠場。その後はスランプを経験した。１８年の全日本選手権では５５位で予選落ちし、「体操は好きだけど練習が怖かった」と、浮上できない日々が続いた。それでも現在の所属先に移ると、「自分の好きな体操を楽しむ」という原点回帰し、復活。７年ぶりの代表復帰が東京五輪だった。東京五輪シーズンにはピンク髪など大会ごとに髪色を変えたことも話題となった。

　現在はＹｏｕＴｕｂｅｒとして活動している平岩。「人生を懸けて体操競技をできたことを誇りに思います。この競技に出会えてとても幸せでした。とても幸せな体操人生でした。今後の目標は体操の楽しさを伝えたり、普及活動をしていけたらいいなと思います。第２の人生も私らしく楽しんで頑張ります」と、見据えた。