「大相撲初場所・８日目」（１５日、両国国技館）

　関脇正代（時津風）は小結若元春に屈して６敗目。１０勝以上で可能だった１場所での大関復帰を逃した。

　立ち合いで左が入って前に出たが、左下手を引いた相手に体を入れ替えられ、そのまま寄り切られた。土俵下でうつろに宙を見つめ、肩を落として重い足取りで花道を引き揚げた。リモート取材にも姿を見せなかった。

　幕内後半戦の粂川審判長（元小結琴稲妻）は「力が出ないのか、どうなのか。伝わってくるものがあまりない」と厳しいコメント。「どこか悪いのか」と体調面を気遣いつつ「でも、稽古するしかないよね」とし「ここであきらめたらズルズルいってしまう。もう１回、闘争心を奮い立たせてほしい」と奮起を求めた。

　正代は５度目のかど番だった昨年九州場所で６勝９敗と負け越して陥落。大関在位は１３場所だった。今場所は序盤戦から右足を気にするしぐさを見せていた。

　現行のかど番制度となった１９６９年名古屋場所以降、１場所で復帰を果たせなかった後に大関へ復帰した例は所要７場所の魁傑と、２０場所を要した照ノ富士の２人しかいない。