高安 悲願の逆転初Vへ“4度目の正直”なるか 「精いっぱいベストを尽くしたい」

 「大相撲秋場所・14日目」(24日、両国国技館)

 平幕高安が関脇豊昇龍を引き落として3敗を守った。翔猿を退けて2敗の単独トップを維持した玉鷲を1差追走。直接対決が組まれた千秋楽で逆転の初優勝を目指す。北勝富士は関脇若隆景に屈して4敗目。優勝の可能性は玉鷲と高安の2人に絞られ、1991年名古屋場所(琴富士)と秋場所(琴錦)以来31年ぶり2度目の2場所連続平幕優勝となる。

 堂々の勝ちっぷりで、初優勝への挑戦権を得た。高安はすさまじい衝撃音が響くかちあげを豊昇龍に見舞うと、さらにもろ手で起こしてからの引き落とし。わずか1秒7の〝瞬殺〟に館内が喝采を送る中、貫禄たっぷりに勝ち名乗りを受けた。

 先に玉鷲が勝ち、負ければ優勝を逃す状況。結果を耳にして向かった土俵でも「まあ、特に何も考えずにやってました」と、気持ちは変わらなかった。重圧など感じさせない圧勝。「いつもと変わらず相撲が取れた。立ち合いでいい当たりができたので、反応良く決めることができた」と自賛した。

 優勝決定戦で敗れた今年の春場所を含め、千秋楽まで優勝の目があったのは過去3度。苦い経験をした分、浮足立つこともない。「今はとても穏やかな感じ。明日の相撲もリラックスしてやりたい」と泰然自若の口ぶり。4度目の正直へ、元大関に気負いはない。

 千秋楽は玉鷲との直接対決。「一方が勝てば優勝、他方が勝てば2人による優勝決定戦」のケースは過去62度あり、逆転優勝は10度。高安は2017年秋場所の日馬富士以来となる逆転Vを目指す。八角理事長(元横綱北勝海)は「最初の相撲が大事。高安は挑戦者。思い切りいける気がする。自分が追いつかれるの(経験)はあるけど、自分が追いつくのはない。そこが違う」と追う利点をあげた。

 初優勝を飾れば、初土俵から104場所目は歴代2位のスロー記録、32歳6カ月は昭和以降9位の高齢記録となる高安。「なるようになる。精いっぱいベストを尽くしたい」。難ミッションを成し遂げ、悲願の賜杯をもぎとる。

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