池江璃花子 個人でも五輪切符獲得なるか 圧巻の後半大まくり、全体1位で8日決勝

 「競泳・日本選手権」(7日、東京アクアティクスセンター)

 女子100メートル自由形準決勝は、白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20)=ルネサンス=が54秒36の全体1位で決勝へ進出した。

 再び奇跡は起こるのか-。100メートル自由形での3年ぶりの頂点と2枚目の五輪切符獲得へ、池江は自信をみなぎらせた。「100の王座奪還はまだ先になると思っていたけど、2種目目で奪還できるように頑張りたい」。白血病の診断から2年あまりでの2冠達成へ、言葉に迷いはなかった。

 思いを加速させるだけの強さがある。この日は予選からいきなり復帰後の自己ベストを1秒05更新する54秒30をマーク。準決勝では前半こそ遅れたものの、圧巻のラストスパートで復帰後2番目となる54秒36の全体1位で決勝に進んだ。「やりたいレースができている。(決勝は)前半をもう少し上げて、後半は自信があるのでそこで思い切り上げたい」。どこか余裕のある顔で、勝負の舞台を見据える。

 4日、100メートルバタフライで涙の優勝を飾り、400メートルメドレーリレーでの五輪切符を獲得。世界中を感動の渦に巻き込んだ競泳界のヒロインは「今までで1番ダメージが大きいレース後でした」と苦笑いだが、「逆に余裕を持って挑める」と涼しげな表情だ。

 100メートル自由形では決勝で2位以内に入り、派遣標準記録の53秒31を突破すれば個人で五輪に内定。54秒42を突破すれば、400メートルリレーでの五輪代表に決まる可能性がある。「正直(リレーが射程圏内の)4番ぎりぎり入れたらいいかなと臨んだけど、この感じでいくと53秒台は出る。個人の派遣は厳しいかもしれないけど、取りあえずは53秒台は目標」と夢は大きくなった。

 「レースが楽しみということは自信があることと同じ。そう捉えてもらったらいいかなと思います」。2度目の奇跡は、もうすぐそこにある。

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