北朝鮮が東京五輪不参加 IOC困惑「正式な申請受けていない」今後の影響も懸念

 北朝鮮体育省は6日、ウェブサイト「朝鮮体育」を通じ、同国オリンピック委員会が3月25日に開いた2021年総会で、東京五輪への不参加を決めたことを明らかにした。世界的に流行する新型コロナウイルス感染症から選手を保護するためとしている。今回の東京五輪に参加しないと表明した国は初めて。国際パラリンピック委員会(IPC)は同日、北朝鮮のパラリンピック委員会から東京パラリンピックに参加しないと伝えられたと明らかにした。

 ウェブサイトの文書は5日付。総会は平壌で、テレビ会議方式で開かれ、金日国体育相らが参加した。

 医療体制がぜい弱な北朝鮮は新型コロナを極度に警戒し、中国で感染が拡大した2020年1月末から国境を封鎖。国内に感染者はいないとする一方、非常防疫体制を維持し、自国民の海外からの帰国さえ認めず、往来を遮断している。東京での新規感染が収まらない中、選手団を派遣する可能性は低いとの見方が広まっていた。他国への波及を含めて今後の影響も懸念される。

 北朝鮮は1964年東京五輪も不参加で、夏季大会で参加見送りとなれば南北で対立した88年ソウル五輪以来。五輪を通じ南北融和の流れを後押ししてきた国際オリンピック委員会(IOC)にも痛手となる。

 IOCはこの日、「IOCは何度か求めたものの、残念ながら北朝鮮のオリンピック委員会と電話会議を開くことができなかった。IOCは(不参加の)正式な申請を受け取っていない」とする広報官の談話を発表した。

 IPCは「大会組織委員会、IOC、日本政府、東京都と緊密に連携し、安全で安心な大会を実現するために取り組んでいる」と感染予防策の徹底を強調した。

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