柔道・新井千鶴 クセが強い“伏兵”との苦戦で収穫「五輪1、2回戦で戦う確率高い」

 柔道女子70キロ級で東京五輪代表の新井千鶴(27)=三井住友海上=が、優勝したグランドスラム(GS)タシケント大会から一夜明けた7日、現地ウズベキスタンでリモート取材に応じた。苦戦も重ねながら頂点に立ったが、「感覚的にうまくかみ合ってない部分もあった。研究して稽古を続けるのも大事だが、試合で組み合って感覚をつかむことも(大事)。戦ってみて良かった」と1年1カ月ぶりの実戦経験をかみしめた。

 今大会は有力ライバルは不参加だったが、あまり対戦経験のなかった世界ランク下位選手との手合わせに収穫を得たという。「(腕の)リーチがあったり、組み手も変則だったり、戦い方にクセがあったり…。そういう選手と戦えたことが良かった」。新井はオーソドックスに釣り手と引き手を持って戦うスタイルだけに、まともに組み合うことを嫌われるのはもちろんのこと、対戦データが少なく、予測しづらい組み手や技出しに手を焼いた。

 特に世界ランク38位のゲルチャク・サビナ(ハンガリー)と対戦した準々決勝は、片襟になって不用意に攻めた一瞬の隙を袖釣り込み腰で投げられ、技ありを先行された。すぐに追いついたものの、決着には11分55秒を要し、これが五輪本番なら危ない展開。「シードされているランク上位者に目がいきがちだが、意外とノーシードの選手もやりにくいことが多い。五輪だとそういう選手と1、2回戦で戦う確率が高いが、そこで1つ1つ勝たないと上に行けない。そういう選手が上の選手を食っていくので」と気を引き締めた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でこの1年は所属内で練習を重ねたが、「色んな組み手、色んな技を掛けてくる選手に対応する能力が大切だなと改めて感じた」と実感したという。「より一層、外部の人と強化していくこと(必要性)も一つ見えた部分。極力(相手が)何をしてくるか分からない緊張感を感じながら稽古したり、やり方を工夫する必要がある」。ノーマークの“伏兵”に足をすくわれないためにも、出稽古で強化する考えを示した。

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