日本サッカー協会元会長で東京五輪選手村村長の川淵三郎氏（８４）が１２日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会合に出席した。女性蔑視発言の責任を取り辞意を表明した森喜朗会長（８３）の後任候補として受諾する意向を示していたが、一転辞退。「マスコミをにぎわせてしまい、大変心が痛む。会長候補は白紙に戻し、辞退させたいただきますと申し上げた」と話した。

　この日午後に、都内で臨時の理事と評議員を集めた合同懇談会を開催し、冒頭で森会長が女性蔑視ともとれる発言をした責任を取り、辞任を表明。前日の時点で、後任には、森氏が前日に会談し、会長就任を打診した日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏（８４）が確実となっていたが、大会関係者によるとこの動きを政府が問題視。「引責する人物の後継指名はありえない」と、難色を示したという。

　懇談会でも出席者からは「公平に、透明性を持って選考すべきだ」との意見が出たという。その懇談会で「辞退宣言」をしたという川淵氏は、報道陣に対応。前日に森氏を相談役にする考えを示したことなどに批判が出たことを受け、「混乱を招き、本当に申し訳なかった。配慮が足りなかった。これをきっかけにいい会長が見つかることを祈っていると伝えました」と、明かした。

　前日の夜に、武藤事務総長から電話が「何度も」入ったといい、「遅くまで話をして撤回を決めた」とした。また、「批判の対象となっているが、僕の配慮が足りなかった。全ては僕の責任です」と陳謝した。